【5年生】「スマイル紙しばいプロジェクト」から見える学びのストーリー
2組の教室には、子どもたちの思考の足跡が数多く掲示されています。ユリノキの時間で取り組んでいるテーマは、「スマイル紙しばいプロジェクト ~多くの人を笑顔に~」です。学習は、「どうしたら相手に思いが伝わるのだろう。」「どうしたら聞いた人に笑顔になってもらえるのだろう。」という子どもたちの問いから始まりました。掲示をたどっていくと、紙芝居の特徴を調べたり、聞き手を幼児や小学生、高齢者などに分けて考えたりしながら、少しずつ探究が深まっていることが分かります。
2組では、紙芝居を単なる物語づくりとして捉えていません。聞き手に何を伝えたいのか、どのようなテーマなら地域や社会の課題を自分事として考えてもらえるのかを話し合う中で、「地域の自然や生き物を守ること」「ごみ問題への関心を高めること」など、自分たちなりの願いをもち始めています。
学習を進める中では、島田博之さんを講師としてお招きしました。島田博之さんは、島田博之理事長が代表を務める「NPO法人 紙芝居Project」が進める活動を通して、日本の伝統文化である紙芝居の普及や紙芝居師の育成、公演活動などに取り組まれている方です。講師の先生からは、「紙芝居は絵本とは違い、演じるものであること」「登場人物同士の会話によって物語が進むこと」「絵の抜き方や声の出し方によって伝わり方が大きく変わること」などを教えていただきました。子どもたちは、紙芝居は絵を描いて終わりではなく、聞き手とのやり取りを大切にする表現方法であることを学びました。
また、この学習には地域や保護者の皆様も関わってくださっています。紙芝居の舞台づくりでは、保護者の方が設計図を作成してくださり、その後AIを使って子どもたちと担任とで図面まで作成しました。教室にはその設計図が掲示されており、「本物の紙芝居舞台を作りたい」という子どもたちの思いを地域や家庭が支えていることが伝わってきます。
この取組の大きな特徴は、教科横断的な学びにあります。図画工作科では色彩や構図、表現方法について学び、国語科では相手意識をもった文章の構成や言葉の選び方について学んでいます。さらに、社会科や理科で培った情報を集め、整理し、分析する力も活用されています。一つ一つの教科で学んだことが、ユリノキの時間という探究の場で結び付き、「伝える力」として生かされているのです。
新橋小学校では今年度、「学びの見える化の質的向上」と「ストーリーのある学び」を大切にしています。2組の掲示には、子どもたちの疑問から始まった学びが、人との出会いによって広がり、調査や体験を通して深まり、自分たちなりの考えへとつながっていく過程が見事に表れています。ユリノキの時間は、調べて発表して終わる学習ではありません。問いをもち、人とつながり、教科で学んだことを生かしながら、自分なりの答えを探していく学びです。2組の「スマイル紙しばいプロジェクト」が、これからどのような形で地域の方々や聞き手の笑顔につながっていくのか、とても楽しみです。
