新橋小学校の校舎前に並ぶユリノキは、長年にわたり子どもたちの成長を見守り続けてきた、本校のシンボルツリーです。学校に残る昭和52年の新橋小学校の写真を見ると、校舎前には7本のユリノキが整然と並んでいます。(昭和51年頃ユリノキは植えられました。)当時の子どもたちや教職員、地域の皆様に見守られながら成長し、新橋小学校の歴史とともに歩んできたことが分かります。その後、年月の経過とともに3本のユリノキが伐採されました。そして現在残っている4本のうち、3本を伐採することとなりました。

創立50周年を記念して誕生した本校のマスコットキャラクター「ユリノキフレンズ」は、このユリノキに由来しています。それほどユリノキは、新橋小学校を象徴する特別な存在です。入学式や卒業式、運動会、日々の学校生活。ユリノキは何十年にもわたって子どもたちを見守り続けてくれました。地域の皆様や卒業生の中にも、ユリノキに特別な思い出をお持ちの方がたくさんいらっしゃることと思います。できる限りこの木々を残したい。その思いをもちながら、これまで管理を続けてきました。しかし近年、ユリノキを取り巻く状況は少しずつ変化していました。昨年度には、ユリノキの花に多くのハチが集まり、児童の登校時の安全確保が課題となりました。そのため、一定期間、校内の登校ルートを変更する対応を行いました。その際も、ユリノキを残しながら安全を確保する方法を模索してきました。今年度の夏休み中には、ユリノキの根元付近にキノコが確認されました。専門業者によると、内部の腐朽や空洞化が進行している可能性があり、倒木や大枝の落下による危険性を完全には否定できないとの見解が示されました。実際に外から見る限り、木々は今も青々と葉を茂らせています。しかし樹木は、人間と同じように、外見だけでは分からない変化が内部で進むことがあります。安全を最優先に考え、3本のユリノキを伐採することとしました。

7本のユリノキ。それぞれが新橋小学校の歴史そのものであり、長い年月の中で数え切れないほど多くの子どもたちの成長を見届けてきました。校舎前に立つユリノキは、新橋小学校の風景そのものでした。朝、子どもたちを迎え、夕方には子どもたちを送り出し、時には大きな木陰をつくり、季節ごとの表情を見せながら学校の日常を支えてくれました。本来であれば、子どもたちにも事前に十分な説明をしたうえで進めたかったところです。しかし、安全面から早急な対応が必要であると判断し、夏休み中に伐採の準備を進めることとなりました。

夏休み明けに、子どもたちにもこのことを伝えました。来週には3本のユリノキが伐採されます。なぜ伐採しなければならないのか。なぜ残すことができなかったのか。そして、ユリノキが新橋小学校にとってどのような存在だったのか。そのことを子どもたちに伝えながら、長い間学校を支えてくれたユリノキへの感謝の気持ちと、子どもたちの安全を守るためであることを話しました。

今回、その姿の多くが学校からなくなることになります。しかし、ユリノキが残してくれたものは決して失われません。地域を愛する心。学校を大切に思う心。そして、長い歴史の中で受け継がれてきた新橋小学校への思い。それらはこれからも子どもたちの心の中に生き続けることと思います。また、4本のうち1本はこれからも学校に残ります。長年ともに歩んできた仲間たちの思いを引き継ぐように、その1本のユリノキが、これからも子どもたちを見守り続けてくれることでしょう。木はなくなっても、その木が見守ってきた歴史はなくなりません。長い間、新橋小学校を見守り続けてくれたユリノキに心から感謝します。そして、その思いを未来へ受け継ぎながら、これからも子どもたちの安全と成長を支え、新橋小学校の新たな歴史を築いていきます。長年にわたり、本校を温かく見守ってくれたユリノキへ。本当にありがとう。