R5.4月20日(木)

 みなさんこんにちは。今日はとても良いお天気でしたね。

 今日は、本校で、こども青少年局の接続期研修会の一環として、スタートカリキュラムの公開研究会を行いました。本郷台小はスタートカリを始めてから15年程になります。入学した1年生が安心感をもち、自己発揮しながら、主体的に学習に取り組んでいけるように、というねらいで入学当初のカリキュラムを工夫しており、それをスタートカリキュラムとよんでいます。今回の学習指導要領では、特に幼児教育と小学校教育との円滑な接続の重要性が大きく示されています。同時に、国でも、年長の4月から1年生の3月までの2年間を「架け橋期」として、生涯にわたる主体的な学びを支える非常に重要な時期としてとらえ、そのカリキュラムの改善を示しています。本郷台小では、新大船幼稚園と一緒に、子どもが主体的に遊んだり学んだりするカリキュラムについて研究をしています。

 本郷台地区のテーマは「『わくわく、いきいき、やってみたい!』を引き出す主体的な遊びと学び~子どもの姿を通して架け橋期のカリキュラムを考える~」というものです。子どもの姿を通して、というところを特に大切にして、それぞれの保育や授業を行い、検証しています。

 今日の公開では、わくわくタイムの「がっこうたんけん」から、ぐんぐんタイムでの教科の学習へとつながる様子を見ていただきました。子どもたちの『わくわく、いきいき、やってみたい!』姿がどの時間にも見られるように、子どもたちの興味や関心を大切にし、「やってみたい!」が実現できるような学習展開を日々考えながら授業を展開していますが、今日も1年生はわくわくしながら楽しそうに学んでいました。

 1組は理科室への興味が膨らみ、「理科室に行ってみたい!」と今日ははみんなで探検へ!理科室に行くと、そこにいたのは理科支援員の河合先生。理科室で実験の準備をしていました。河合先生が理科の先生だとわかると、子どもたちは次から次へと「これはなに?」と質問責め!理科室にある様々な道具に夢中になっていました。河合先生に教えてもらって、理科室って本当に楽しいことができる場所なんだ、ということを感じてた1くみの子どもたちでした。また来たい!という気持ちで名残惜しそうに理科室を後にした子どもたちの姿が印象的でした。そのあとは、なかよしタイムで人気になっている遊びから算数につないだ学習です。「あわせて5」ゲームは先生と子どもたちが指で数を出して、先生の指の数と自分の指の数を合わせて5になったらOK!という遊びで、1組の子どもたちが大好きな遊びです。今日はそのゲームから、おはじきを使って「いくつといくつで5かな」という学習に。一人5個ずつおはじきを持ち、二人ペアで「ぴったり5になるゲーム」を楽しみながら学習はスタート。まさに、算数の「5の合成分解」の学習なのですが、遊びから入っているので子どもたちはとても楽しそうに取り組んでいました。おはじきを使いながら、「2と3もあるけど3と2もあるよ」「0と5、5と0というのもあるね」など、具体と数字がちゃんとつながり、理解をしていました。

 2組は外が大好き。今日のわくわくタイムの学校探検は、子どもたちが窓から見つけた台小農園へ。「あそこは何?入学式でタッチー君が持ってきたのと似ているものがあるよ!いってみたい!」とクラスで盛り上がり、興味が高まっていた2組の子どもたち。みんなでワクワクしながら台小農園に探検に出かけました。広い畑や花や草や虫や土や石や、木や空やベンチや・・・。子どもたちは一人ひとり、思い思いに台小農園を楽しみました。2組は、見つけたもの、面白いと思ったものを教えたい、伝えたい、絵で描きたい、という思いをもつ子がたくさんいて、探検の後、教室に戻ってくると、「せんせい。見つけたもの、かきたい!」という言葉が。そして「台小農園に行ってかきたい!」という言葉が。「どうしようか」と担任が問い返すと「台小農園でかこうよ!」ということになり、探検バックと筆箱と色鉛筆(クレパス:子どもが自分で選んでました)を用意して台小農園へ向かいました。次の時間は、描きたいものを楽し描こう、という図工の学習と兼ねた学習となりました。「テントウムシが指にとまった!みてみて!」と言って、その感動を絵にかいたり、「この石、あったかいよ!不思議だなあ。石があった土のところもあったかい!せんせい、きてきて!」と言いながら、先生と一緒に不思議を共有して嬉しそうに石を描いたり。表現することを楽しむ子どもたちの姿がありました。

 3組のわくわくタイムの学校探検は、今日は、一人ひとりの興味に基づいて行う「ひとりひとりたんけん」でした。探検をするごとに学校への興味が高まっている子どもたちですが、今日も、学校のいろいろなところに出かけ、「おもしろい!」「たのしそう!」「ここ、きにいった!」「これはなに?」と、心を動かす場所やものをそれぞれ見つけていました。図書室、理科室、図工室、職員室、印刷室、校長室、保健室、体育館、廊下、スロープ、2年生から6年生までの教室、渋い部屋(和室)などなど。興味津々に見たり触ったり、そばにいる先生や他学年の子どもたちに質問したりと、子どもたちは一人ひとり、本当にいろいろなところにそれぞれの興味を示し、探検を楽しんでいました。そして、3組の子どもたちに特徴的なのは、見つけたものを「字で書きたい」という思いをもつ子がとても多い、ということ。担任はそうしたこどもたちの思いをとらえ、「たんけんで見つけた好きな場所をもじでかこう」と子どもたちに投げかけました。子どもたち、ルンルンです。書きたいので、わからない文字があると聞きに来ます。「書きたい」という意欲が自然と主体的に聞きにくる、という姿になるのですね。そんな姿がこれまでも見られたので、担任は、大きなひらがな表を教室に貼っておきました。すると、子どもはそこにきて、自分が書きたい文字を探していました。ひらがなの学習にとても自然に入っていく様子が見られました。子どもたちは、書いた文字を皆に発表。一人ひとりの好きな場所を共有していました。今度の時間は、なぜそこが好きなのか理由を聞いてみよう、と「伝える」学習へと発展していきそうです。

 子どもたちの「こうしたい!」という思いを大切にするということは、子どもの主体性を大切に磨いていくということ。環境に自ら働きかけて遊ぶことを大切にしている幼稚園や保育園での学びをつないで、学校って楽しいな、勉強って楽しいな、学ぶって楽しいな、みんなと学ぶっていいな、そんな学びに向かう姿を育てていきたいと思います。そして、その主体的に学びに向かう姿勢は6年間続いていきます。園と学校、学年と学年のつながりを大切にしながら主体的な学びを育てていきたいと思います。

 写真は、協議会で伝えたスライドです。