R4.6月17日(金)

 みなさんこんにちは。東門の「ねむのはな」が咲き出しました。風に吹かれてふわふわと揺れている様子がとても可憐です。

 さて、昨日はスピーチコンテストの本番でした。本校代表児童の鈴木円蔵さんは、堂々と、立派にスピーチすることができました。本当に素晴らしかったです。では、そのスピーチをお届けします。タイトルは「人種差別はやってはいけない」です。

 

 肌の色の違いによる人種差別は、やってはいけないことです。理由は差別をされた人が、つらくて苦しいからです。では、人種差別をすることで何が起こるでしょうか。それはいじめです。

 実はぼくもハーフなので、一度だけ人種差別を受けたことがあります。それが起きたのはイランの幼稚園でした。父の仕事の都合で、イランに一年間住んでいたことがあります。幼稚園に初めて行く時、とてもワクワクしていました。「友達ができるかな。」「どんな先生等なんだろうな。」などと考えていました。初日、自己紹介をして席に座りました。そして中休み、悲劇はここからでした。隣の人や後ろの人に話しかけようとした時に、こんなことを言われました。「Don't  come  alien!」日本語で「こっちに来んな、外人が。」と。何も言葉が出ませんでした。その場で先生に頼み、早退しました。その時はとても悲しかった、つらかった、もう外に出たくないと心の中で繰り返して言っていました。家に着いても泣き止まず、一週間くらい、悔しさや悲しみで泣き続けました。「何で肌の色が違うんだろう。」と一日中、心の中で考えていました。

 そんなぼくがまた立ち上がることができたのは、父のおかげでした。ぼくの背中を優しくたたいて、父が言いました。「あのな、人生は肌の色で決まらないよ。人生は、自分の勇気と元気が建助けてくれるから自信をもて!」と。ぼくは勇気をもって、イランの幼稚園に再び通い始めました。勇気と元気をもって生活していくと、差別をされず、友達もでき、楽しく過ごして日本に帰ってきました。でも、世界にはまだ、ぼくみたいに人種差別をされている人がいることをニュースで見たことがあります。

 だから、ぼくは、差別がなくなるように二つのことを提案したいと思います。一つ目はいじめや差別をしている人を見た時には、迷わず注意をすることです。そうすることで、ぼくのように、苦しむ人を少なくすることができます。二つ目は、言葉を大切にすることです。言葉一つで父のように、勇気付けたり、励ましたりすることができます。だから、悲しんでいる人や落ち込んでいる人の立場になって、思いやりの気持ちをもって声をかけていきたいと思います。この二つをみんなで意識して生きることで、ぼくのように、いじめや差別で苦しむ人を減らしていきましょう。

 

 以上です。全校朝会では、1年生から6年生まで、シーンとなりテレビに食いつくように話を聞いていた子どもたちです。鈴木さんのこのスピーチをきっかけに、勇気をもって、いじめや差別のない、思いやりのある生活を創っていきましょう。身近なところから、一人ひとりがムーブメントを起こしていくことが、世界にむけたムーブメントになっていくことを信じて。

 職員室アシスタントが飾ってくれたアジサイです。左は、丸い器に水をはり、花を浮かべました。ステキですね。ミッキーマウスのカップに飾ったアジサイも、帽子のようでかわいいですね。どちらも円い形。丸い地球に住むみんなが円い心をもってあたたかく過ごせたら、と円蔵さんのスピーチが季節のアジサイに重なり合いました。