『「自立」と「自律」を伴った成長を』

校長 鈴木 康史 

あけましておめでとうございます。令和4年となりましたが、本年度はあと3か月と締めくくりの時期を迎えます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年末にはかなり落ち着いた感染状況も、冬休み中から上昇の傾向も見られます。1月からも様々な活動を予定していますので、取り止めの連絡をしなくてよいような対策を継続したいと思います。

 

正月恒例の箱根駅伝は、青山学院大学が圧勝しました。補欠まで含めて速い選手が圧倒的に多いのですが、留学生や2区区間賞の田澤選手のようなスーパーエースがいたわけではありません。相当レベルの高い選手に育った全員が、失敗なく走り、流れに乗って最高のパフォーマンスを見せたということになります。レース後の会見で、原晋監督は次のように話しています。

「まず、この大会が開催されたことに対して関係各位の皆様に感謝申し上げたいです。本当にありがとうございました。大あっぱれ快走で、学生たちにあっぱれ、褒めてあげたいなと思います。過去最強軍団と称しておりました。それが口だけでなく現実となりまして、改めて学生たちの素晴らしさを感じました。“青山メソッド”がありますから、そのメソッドの通りに自立して、しっかり取り組んでいけば伸びるんです。でも、それだけではなくて、自分で律する、その自律。自ら考え、行動して課題に向き合って前へ進む姿勢。そういったものが青山学院には出来上がったのかなと感じます。ありがとうございます」

自ら立つ『自立』、自分を律する『自律』の両者をキーワードにしています。「自分に足りないのは何か、課題、目標は何か」というのを一人ひとりが考えて実行することは、「めあてをもつ」として小学校の頃から習慣化が図られています。体育の時間でも自分に合っためあてを考え、きちんと振り返るように構成されているのですが、アスリートともなればこれをしっかりと発展させていかねばならないということでしょう。

低学年のうちは、まだ未自覚であり、先生や保護者のサポートが多く必要でしょう。高学年になるにつれて「自立」の芽が出てきますが、同時に求められてくるのが「自律」の芽でもあることを原監督は伝えてくれているのだと思います。

『自立』他の援助を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。

『自律』自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御から脱して、自身の立てた規範に

従って行動すること。                         【広辞苑より】

 学校教育法の第21条「義務教育の目標」①に、「自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う」というものがあります。これは、あゆみの「行動の記録」に出てくる言葉の基にもなっているのですが、ここでも「自律」が出てきます。自分で考えて責任をもって行動できることは、きっと将来に役立ち、大人になっても持ち続けてほしいことだと思います。