「    今できることをやる 」

   校長 鈴木 康史

  

 7月も下旬になり、学校の周りでも今が盛りのニイニイゼミ(小さく高音の“ヂー”)を皮切りに、ヒグラシ、ミンミンゼミ、アブラゼミと鳴きだしました。比較的涼しい7月でしたが、夏は着実に進んでいるなと感じます。

 学校再開から2カ月がたちました。従来と違う学校生活の中で、7月は給食と掃除、委員会活動も始まり、感染対策を意識しつつの学習活動をしています。学校も家庭も、数カ月の自粛生活と2カ月のwithコロナ生活をしてきたところで、学校と家庭の様子を個人面談で共有させていただきました。ありがとうございます。

 

 東日本大震災で原子力発電所の事故があった以降、福島県での放射線教育でいわれている言葉があります。「正しく知って、正しく恐れる」。目に見えない、よく分からない、恐ろしいと感じる放射線に対し、正しく理解して、正しく行動をするというものです。今の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の状況において思い出すのは、この言葉です。科学的にだいぶ整理されている放射線に対して、COVID-19は未だ不明なところがあまりに多すぎます。ウイルスの特徴、感染方法、感染経路、ワクチンや薬の開発や効果等が分からないので、恐ろしさがあります。そのため、感染対策についてもどうしたらよいのか、十分なのかも難しいところです。飲食店、スーパーマーケット、プロ野球等、それぞれが工夫をしていることが見て取れます。通勤電車など大丈夫なのかと思うこともあるでしょうが、そこで市中感染したかどうか分かりません。未だ日本は感染拡大傾向ですが、なぜ諸外国のような爆発的に拡大しないのか、どんな対策が効いているのかも分からない中で、考えて生活していかねばなりません。

 

 昨年は、朝会等で子どもたちに「楽しくやる。楽しく“なるように”やる。」と話し続けてきましたが、今年は「今できることをやる。」と話しています。今の状況を理解し、今できることをしっかりやるようにしてほしいと考えています。「何もできない。」と考えるのではなく、常に最新の情報に気を配り、様々なガイドライン等を踏まえ、何ができるのか、どうすればできるのかを考えていくことが大切です。そのうえで、難しいと判断される状況であれば、感染者が出ていなくてもできないこともあります。

 各家庭でも「今できること」はなんだろうという日々になるかと思います。感染予防で、学習で、運動で、家事で、今できることをしっかりやる「短い夏休み」をお過ごしください。