「 仲間と共に 役割と責任感をもって臨む

                                                                      校長 鈴木 康史

 

昨年ほどの酷暑ではなかったものの、連続する真夏日や台風など、夏らしい日々を過ごした夏休みだったと思います。夏や長期休業ならではの体験をして、一回りたくましくなって登校する姿から、残暑の中で前期のまとめと運動会に向けての取組を進めて行ってくれるものと思います。

この夏、高校野球で準優勝した星陵高校は、すばらしい球を投げる奥川投手一人の力ではなく、休むときは休めるような代わりの投手や大量点を挙げる打者がいたから、奥川投手もその力を発揮し、チームが勝ち進んだのでしょう。今年の高校野球は、選手の負担軽減も考える中で、一人の力ではなく仲間の力、チームの力の大切さを考えさせられることが多かったと思います。

DeNAベイスターズの筒選手は、骨折をした宮崎選手に替わって、実に6年ぶりに三塁手をしています。それに向けて外野を守っているときと違って、ストッキングの中にズボンの裾を入れるようにしていることに気が付きました。守備のしやすさを考えてそうしているプロの内野手もいるのですが、筒香選手も三塁を守るという責任感を示すためにそうしているのではないかと思っています。自分の役割を全うするという覚悟を示して、チームのために頑張ろうとしているのだと思います。

旅行や帰省で影響を受けた方もいると思いますが、台風接近に向けて西日本で予告をして鉄道を終日運休にすることもありました。鉄道会社は、利用者の安全への責任とともに、台風時には出歩かないという基本に立ち返って災害に備える姿勢を暗示してくれていたのだと思います。正しい、あるいは最新の情報を得て、自分で判断し対応していくことで、自己責任という言葉もありますが、身を守ることや予定の変更をスムースにできたこともあったであろうと思います。

この夏、自分勝手でわがまま、無責任な行動も連日報道されていましたが、大人が子どもに見せる姿ではないと思います。家庭でも、家族それぞれに役割と責任があるはずですし、親が子どもに対して責任をもって臨んでいることを子どもたちが知ることは、社会のなかでの役割と責任を果たすよい見本となります。

学校は、生活と学習を子どもの社会の中で学び、成長するところです。子どもは失敗の中から振り返り、子ども同士で影響し合い、学び合い、成長していきます。一人ではなく仲間と共に成長することを意識し、その際自分の役割と責任をもって臨めるようにしたいものです。例えば、1年生なら自分のことは自分でできるように努める、3年生なら自分のことで周りに迷惑をかけないように努める、たてわり活動のリーダーである6年生なら下級生まで見通しをもって取り組めるように努める。前期末、運動会と、仲間と共に役割と責任を考えて行動する姿に期待し、教職員一同、支援をしてまいります。

 

【SDGsメモⅢ】 ラグビーワールドカップJAPAN2019TM

 

 9月20日からラグビーワールドカップが始まり、横浜国際総合競技場でも試合が行われます。世界大会では、心身共に健康をめざし鍛練を重ねた成果をぶつけ合う機会です。ラグビーは、帰化を含めた国籍によらずその国に3年以上移住していれば代表選手になれます。国を超えた代表選手が集い、ノーサイドの時まで競い合い、讃え合う姿をしっかり目の当たりにしたいものです。