『一人一台のタブレットPCスタートで、変わる授業、変わらない授業』

校長 鈴木 康史

 この6月はそれほど高温でも、雨が多くもなく、比較的過ごしやすい日が続きました。7月に入りいよいよ夏本番が近付き、本格的な暑さがやってきます。そんな中、まん延防止等重点措置が再々延長され、近付く夏もまだまだ感染拡大防止の生活が続きます。4・6年の宿泊学習は、秋以降に延期になりました。

6月22日に6年の水泳学習が始まりました。本年度は4年以上に限り、3年以下はマスクを着用の上教科等でプールを使った学習を予定しています。

現在、感染症対策として、学校生活ではマスク着用を基本としていますが、熱中症等の健康被害が発生する可能性がある場合は、身体的距離を保ち会話を控えることができる状況でマスクを外すこともあります。水泳は、給食時のように距離や向きを意識して会話を控えて行っています。運動時や登下校時も、周囲への配慮をして適宜マスクなしでの呼吸を行います。

夏休みの間も、健康や衛生に十分気を配ってお過ごしください。

 5月の連休明けから、徐々に一人一台のタブレットPCを使い始めています。今はまだ「とにかく使ってみよう」という時期かと思いますが、今後その使う意義や目的が大切になっていきます。

 これで授業が変わる部分と変わらない部分があります。画面ばかり見るために下を向いているだけで対話や協働して学ぶことがないのであれば、学校で学ぶ意味もコミュニケーションする力の向上もありません。観察や作品の記録・保存、写真の共有、インターネットでの調べ学習などに役立てていて、これまでと授業が変わっていくなというところはたくさんあります。写真に撮ったりグラフや絵に表したりして、動画を編集し、一人ひとりがプレゼンテーションする姿が、今後増えてくることでしょう。

一方で、ノートやカードにかいて記録する、実験や見学、討論会に向けて学級やグループで話し合うなど、これまでと変わらず大切にしなければならない授業もあります。「メモの代わりに写真を撮る」が、若者だけではなく現代の文化になりつつありますが、メモを取る、書き残すことを身に付けておくことも必要で、小学校時代に身に付けておかなければいけないことと思います。また、タブレットで検索して答えらしき言葉が見つかることが「分かる」ではありません。未知の問題は限られた知識がいるのではなく、そこに立ち向かっていける考え方や意欲を授業で身に付けることがいるのです。個性を生かしつつ、多様な他者を価値ある存在として尊重し、協働して様々な課題を解決していくために、変化を受け入れつつ変わらないところも大切にしていければと思います。