「   学校の行事と学び 」

副校長 矢崎 純一

  

 朝夕の空気は澄み渡り、小机小学校から見える富士山もうっすらと雪化粧を始め、秋の深まりが一層感じられるようになりました。

 さて、今年度は新型コロナウイルス感染症のため学校生活の様々な場面で変更を余儀なくされていますが、9月の運動会を幕開けに徐々に学校行事が行われ始めました。

 10月には1年生と2年生が遠足に、4年生が心の教育バレエに、5年生が心の教育ふれあいコンサートに行ってきました。11月には6年生が東京見学に出かけます。

 行事実施に当たり、まだまだ新型コロナウイルス感染症への感染予防対策には細心の注意を払い、万全を期して臨まなければなりません。新型コロナウイルス感染症の感染リスクを考えると、校外学習などの実施については自粛すべきと考える方も少なくはありません。

 しかしながら、児童の豊かな成長を願う中で、日常の授業の中では補えない『経験値』を積み重ねていく上では、学校の行事はとても大切な役割を果たしています。

 1年生や2年生の遠足を見ても、遠足当日に動物園に行くだけではありません。動物園に行くにあたり、「いってきますのかい(出発式)」や「ただいまのかい(解散式)」を担当する子どもたちを決め、その担当者が自信をもって進行できるように準備を進めたり、動物園を見学する時のグループを決めたりするなど、動物園に行く前にしっかり事前学習に取り組みます。グループ活動を通しての友達への関わり方や公共施設の使い方など、見学の約束についてもきちんと事前に学習します。  さらに1年生は生活科の「いきものとなかよし」の学習を、2年生は国語の「どうぶつえんのじゅうい」の学習を広げ、深めていく場として遠足が活用されています。

 2年生は、動物園の飼育員の一日の仕事の内容や仕事への思いを国語の教科書から読み取り、遠足で実際に働いている姿を見たり、話を聞いたりして学習を深めることができました。

 そして、行事実施後には児童は自分の行動を振り返り、自分を見つめ直す学習の場が準備されています。遠足などの校外学習に向けて事前学習で様々なことを学び、実際の場を通して実践していきます。知識を得るためなら座学でもできますが、体験的な学習を行うことで身につけた本物の知識は、自分の経験値として蓄積していくことができます。

 新型コロナウイルス感染症が収束するまでしっかりと感染症対策を講じ、社会情勢を見極めながら、これからも児童のより良い成長のために、教育的意義や価値が高い学校の行事を進めてまいります