「   次への一歩を踏み出すために   

   校長 鈴木 康史

 

 

 学校の池がヒキガエルの卵にあふれ、サクラソウの芽が顔を出す2月を終えて、いよいよ3月になります。この一年間、さまざまな教育活動にご理解とご協力いただきありがとうございました。さまざまな行事や学習で、保護者や地域に支えられて学校が運営できましたことに感謝いたします。 

 年度末を迎え、様々なまとめや発表等の場として、集会や懇談会、遠足等を計画していました。しかし、新型コロナウイルス感染症に関わる対応が急務であり、日本、いや世界が一つとなって乗り越えていかなければならない状況であり、残念ながら中止や簡略化などの対応をさせていただいています。何より子どもたちはもちろん、家庭や地域が健康に安心してすごせる日々を取り戻すことが大切かと思いますので、ご理解いただけたと思います。また、市場にないため自作されるなど工夫されてマスクの用意などをしていただいたり、手洗い・うがいの徹底にご協力いただいたりしていることに感謝いたします。いつもと違う3月になりそうですが、9年前のことを思い返すと力を合わせて乗り越えてきたと思います。国際調査PISA2018では、日本の子どもの「情報を選択する力」「情報の真偽を検討する力」に課題があると明らかにされました。こういった時だからこそ、「正しく知って、正しく恐れる。」そして、正しく対応することが大切です。6年生ですら3才の頃のことですが、保護者や地域の方々は覚えていらっしゃるでしょう。そのときを振り返り、子どもたちを共に支え合えていけたらと思います。 

 この一年、「楽しくやる。楽しくなるようにやる」と子どもたちに声をかけてきました。まず自分自身が楽しみ、集団で取り組むことを楽しみ、楽しい集団となるように努めるようにして欲しいと願ってきました。修学旅行などの学年行事で、運動会などの学校行事で、全校にその頼もしい姿を見せてくれた6年生は、まもなく卒業していきます。1年生と5年生は、まもなく入学する新入生に「早くいっしょに遊ぼうね」など、入学説明会でメッセージカードを送りました。4年生はこれまでの成長とこれからの成長を語り、歌う姿を保護者に見せていましたし、2年生は準絶滅危惧種サクラソウの活動を6年生から引き継いで始めました。3年生は消防や警察に関わることで改めて学校や地域のことを理解し、次年度から変わる学習指導要領に沿った教育課程の第一歩をすでに歩み始めました。個別支援級は、港北区合同学習発表会で、みんなで力を合わせて影絵劇を完成していました。一人ひとりの成長を振り返り、次のステップへ大きく踏み出して欲しいと思います。学んだこと、成長したことに誇りをもって締めくくり、また新たな年度を迎えていけたらと思います。

  

【SDGsメモ Ⅸ】 誰一人取り残さない

 この一年、SDGs(サスティナビル・デベロップメント・ゴールズ)を紹介してきました。2015年に国連で採択された2030年に世界が目指すべきゴールなのですが、その一番の理念は「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現です。学校という場では、SDG11(住みよいまちづくり)とSDG17(パートナーシップ)で、SDG4(質の高い教育)の実現に向けて、これからもよろしくお願いいたします。