「   来たるべきときに 備える 

                                                                      校長 鈴木 康史

 

 ラグビーワールドカップTM JAPAN2019 は、日本代表の活躍や日本流のおもてなしが好評で、大変盛り上がっていますが、10月12日(土)台風19号が直撃して、9月の15号に迫る暴風と大雨をもたらしました。この日から翌日にかけて、小机小学校のすぐ隣の横浜国際総合競技場では二つの「準備」が大きな成果をあげていました。

 多摩川や千曲川をはじめ各地で川の氾濫や堤防の決壊があり、被災した方や亡くなった方もいました。小机周辺の鶴見川も最大7mまで水位が達し、堤防の上端まであと2mというところまで迫りました。しかし、鶴見川流域では水害にならなかったのは新横浜公園が遊水地となり、5mの高さまで木などが水につかりながら、水を一時的に蓄えることができたからです。午前1時過ぎには川の水位が下がりはじめたので排水門が開かれ、日本vsスコットランド戦は開催されました。長年、「暴れ川」とされた鶴見川で、スタジアム建設と合わせて行われた水害対策の効果が今回も十分発揮されて、「準備」しておくことのありがたさを感じました。それでも、土砂災害や浸水被害に備えて学校も避難所として開設され、35名の方が避難されていました。(幸いにもパンが支給されましたが、早めの避難では、ある程度の食料を持参するとよいです)

 明けた13日、ラグビー日本代表が初めて決勝トーナメント進出を決めました。それまでには、力負けしないスクラムや流れを途切れさせないオフロードパスなどの十分な「準備」がされていたことが多数報道されています。年間300日を超える合宿が行われ、選手やスタッフが努力を積み重ねてきたことが実を結んでいる姿に、日本中が驚喜し世界中が感嘆の声を上げているのです。

 

 来たるとき備えて準備をする。学校で学ぶことは、自分の将来に向けての「準備」とも言えます。「準備」をするには、目標やめあてが必要であり、道筋を考えながらきちんと積み上げていくことが大切です。区球技大会や区音楽会、宿泊体験、合唱フェスティバルに向けてなど、行事や学習は道筋が分かりやすいですが、「学年末に向けて、後期はこんなことを頑張ってみよう」と、自分に必要なこと、自分に合ったことも考えてしっかり「準備」して過ごしてほしいと思います。

  ※ 被災された方、亡くなられた方には、お見舞いとお悔やみを申し上げます。

 

SDGsメモⅤ】 技術が暮らしを支える

 台風の直撃など自然の力をコントロールすることは難しいですが、気候変動を抑える暮らしに協力したり、自然災害に備えたりすることはできます。10月は、4年生がごみ処理と最新式のろ過による水道について、5年生が自動車工場と科学技術について見学をしてきました。ノーベル化学賞を受賞した吉野さんが開発したリチウムイオンバッテリーは、今の暮らしに欠かせないものになっています。SDGsにあるような人類の未来のために、技術の進歩を感じて生活を振り返ることも大切です。