「      急速に変化し,予測が困難な時代に     

   校長 鈴木 康史

   

 緊急事態宣言下での生活が続く中でも、チョウは舞いだしアリも地面から出てきて、夏日もあって季節は着実に進んでいます。この一ヶ月は、やむを得ず緊急受入れに来る児童と交代で勤務する教職員しかいない静かな学校でありました。始業式の日にあふれたような子どもたちの姿と声があっての学校だなと感じています。「かしわタイム」という本校の教科書等を活用した自宅学習への協力に感謝しております。学習と学習の習慣を維持して欲しいと、子どもたちの顔を思い浮かべながら先生たちが家でやるのに合った学習を毎日配信してきました。5月いっぱいの休校となりましたので、今後も「かしわタイム」をしっかり進めて欲しいと思います。

 5月から多くの大学が遠隔授業を開始します。機器がない場合どうするかだけでなく、通信料とアクセス集中等の課題が目の前に迫っています。教育委員会の動画配信も、アクセス集中を回避するためにTVK(032)の放送で補っています。自分もインターネットを利用したWeb会議を数回行いましたが、便利な部分と難しい部分があるなと実感しました。

 本年度から完全実施される学習指導要領では、SDGSの2030年、あるいは2050年を見据えて冒頭に「改訂の経緯」として次のような想定をしていましたが、今そのものです。

 「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。」

 そこで学校教育には,次のことが求められていました。「子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにする」。そして、めざす授業改善では「各教科等において通常行われている学習活動(言語活動,観察・実験,問題解決的な学習など)の質を向上させること」が主眼とされていました。本校の「かしわタイム」や大学などで行われ始めているWeb授業ではできない部分が、まさにこの話し合って学ぶ、体験して学ぶ、探究する能力を身に付けながら学ぶことです。みなさんの努力により、このような授業ができる日々を待っています。