「   つながりを感じる つながりをつなげる 

                                                                      校長 鈴木 康史

 

 あけましておめでとうございます。令和初の年明け、オリンピックイヤーの始まりです。

 後期は、「つながりを感じる」ことを子どもたちに話しかけてきました。12月に3回目の来校をした北京市和平小学校のみなさんとは、全校での歓迎会や当番活動の参加等で、一見ではない多くの「つながりを感じる」ことができました。年末・年始は、久々の親戚や友人と会うなど、多くの「つながりを感じる」機会となったのではないでしょうか。

 ラグビーワールドカップでは、日本チームのオフロードパスや国境を越えた交流に「つながりを感じること」がありましたが、ラグビーの人気は大学ラグビーやトップリーグへとつながり、さらに広がりつつあります。「つながり」は、そのまま「つなげる」努力もしていかないと、とぎれてしまいます。

 毎年正月2日、3日に行われている東京箱根間往復大学駅伝競走(通称:箱根駅伝)は、襷(たすき)をつなげるものです。今年は、2区の東洋大学の相澤選手、3区東京国際大学のヴィンセント選手、そして、横浜市緑区出身の6区東海大学の館澤選手など、7区間ですばらしい新記録が生まれました。しかし、優勝した青山学院大学の区間1位(区間賞)は、2区間だけでした。ではどうして強かったかというと、大きなブレーキとなる選手がいなかったのです。区間の平均順位を見ると、総合2位の東海大学が4.3位、総合3位の國學院大學が7.0位というところを、青山学院大学は3.4位でありました。大きな失敗なく、1位でなくても安定して上位であり続けたこと、つまりは選手全員がしっかり安定した力を出していたことが勝因ということになります。選手は、一年間の仲間と努力してきた「つながり」を感じ、信じて走り、次の選手へ襷という「つながり」をつなげているのです。そして、それが上位だけでなく、下位のチームでも、襷をつなげるために努力する姿に、「つながりを感じ、つながりをつなげる」ことの素晴らしさを感じ、新年早々元気をもらっているのだと思います。

  

【SDGsメモⅦ】 お正月の食べ物から考える 持続可能な生産と消費

 お正月ならではの食べ物には、保存食の意味合いもあるものが多くあります。かつては、食べ物が少ない冬、貴重なハレの食事を遠方から運び三が日くらい料理をしないために、腐らないよう調理をしておいたものでした。そこには、SDG12「生産と消費」を考えるきっかけがたくさんあります。タコはモーリタニア産でサーモンはフィンランド産と、外国の産業と一体化の食材もたくさんあります。マイクロプラスティックを減らして、海の生命と食材の安全を守ることも大切です。注文販売で食品ロスを減らし、年末年始休業も聞こえてきました。生活を見直すには、長年の文化の意味を振り返ることも有効ではないでしょうか。正月料理から、持続可能な生産と消費を考える一年もスタートです。