【YSFHサイエンスセンタープログラム 「つくばサイエンス研修」】

  

12月27日、サイエンスセンタープログラムの一環として、本校の中学生と高校生32名が、茨城県つくば市にある2つの研究機関(高エネルギー加速器研究機構(KEK)、筑波宇宙センター(JAXA))を訪問しました。

今回の研修は、最先端の科学技術を見学することで今後の課題研究等に生かすことと同時に、高校生と附属中生が交流を深める中で、高校生のリーダーシップを養うことを目的としています。さらに、本校のスーパーアドバイザーで2008年度ノーベル物理学賞を受賞された小林誠先生のお話を聴講する貴重な機会でもあります。

KEKでは、常設展示室や、実際に実験を行うBファクトリー実験施設を見学しました。その後、小林誠先生からお話を伺いました。お話では、中学や高校で学んでいる物理学が実際の研究や科学技術とどのように繋がっているかということや、Super KEKB加速器が今後どのように活用されるかといったことを伺い、生徒たちは熱心に聞き入っていました。JAXAでは、「きぼう」運用管制室や宇宙飛行士養成エリア、実物大の人工衛星や本物のロケットエンジンが展示してあるスペースドームも見学させていただきました。特に、実際に職員の方がいらっしゃる運用管制室を見学させていただいた際は、生徒たちからは驚きと感動の声が上がっていました。

今回の研修では、普段見ることができない最先端の科学技術や施設を見学させていただき、生徒たちにとって非常に良い刺激となりました。また、職員の方の説明に必死にメモを取ったり、積極的にやり取りしたりして、少しでも多くのことを学ぼうという姿が見られました。

今回の知識や経験を、今後の学校生活や研究活動といった様々な場面で生かしていきたいと思います。

 

  

   KEK施設見学       小林誠先生からのお話  小林先生を囲んで記念撮影 

  

           JAXA見学

 

 

  サイエンスキャッスル関東大会2019

 

12月21日、22日の2日間、「中高生のための学会 サイエンスキャッスル関東大会」が東京の武蔵野大学中学高等学校にて開催され、本校からは9演題、12名の生徒が発表を行いました。本大会は、「アイデアと課題をぶつけ合おう」というテーマの下、分野や年代の違う研究者の方々や他校の生徒たちとのディスカッションを行い、これから研究を進める上でのヒントを数多く得ることができました。また、企業ブースの展示や特別講演にも積極的に参加し、充実した2日間を過ごすことができました。

発表者のうち、2年次の山本和輝くんは口頭発表に選出され、優秀賞、東京都市大学賞を受賞しました。

 

【演題】

2年次 山本和輝  「プラスチック分解能と腸内細菌の関係性」

2年次 崩岡万由希 「麹菌の分泌物と菌糸成長の関係」

2年次 大羽涼梨  「天然酵母が作る膜の活用に向けて」

2年次 蒲谷桜   「酵母がアルコール発酵を行う理由」

2年次 黒石紀夏  「Wntシグナルがニワトリ胚に与える影響」

2年次 村上春菜  「酵母に光を当ててみたら ~カラフルな光と発酵~」

2年次 村涼矢   「麹菌の成長に光が与える影響」

1年次 亀ヶ谷悠斗、木村凪菜、玉生憧一 「麹菌の糖化量と光照射条件の関係と結果の正確性向上」

1年次 江藤毬花、松尾奈穂、長坂泰史 「落花生のパートナーは何処から~宿主特異性について~」

 

  

 

 

  12月14日実施 サタデーサイエンス「マスフォーラム」

 マスフォーラムは、数学に興味・関心を持つ生徒たちが研究を通じて他校生徒と交流の輪をさらに広げようという目的で、平成24年度より研究発表の場として行われています。

 今回は、本校1年次全員・数学物理部員と名古屋国際高等学校、市川高等学校、東京学芸大学附属高等学校、東京都立小石川中等教育学校、東京工業大学附属高等学校、筑波大学附属駒場中・高等学校の生徒が参加しました。

 講師には横浜国立大学理事・副学長であり、数学者である根上生也先生をお招きし、生徒の研究発表への講評や講演、ワークショップをお願いしました。

 講演では、自らの力で考え、閃いたときの嬉しさや楽しさというものを、例を挙げて実感させてもらうことができ、自分が興味のあることや疑問に感じたことを自らの力で解決し更にもう一歩発展させて「どうなるのだろう」と研究していく大切さを伝えてくれました。

 

 ワークショップでは、図形を用いた既存の問題を一歩発展させた問題を用意していただき、全員で考えました。参加者が興味を持ち、手を動かして解決できるような声かけをしていただき、非常に盛り上がったワークショップとなりました。

 

 長時間に渡るプログラムでしたが、参加者からは非常に楽しく有意義な時間であったと喜んでいただけました。

 

  

 

 

  12月17日(火)サタデーサイエンス特別編【日産】流体力学講習

 

 本校の科学技術顧問である株式会社日産自動車様より、流体力学講習を実施して頂きました。日頃から自動車の設計やデザインなどの開発に携わっておられる技術者の方々をお招きして、流体力学の基礎知識を学ぶ講義と、その知識を活かした実習を行い、高校1年生の希望者約30名が参加しました。

 車は便利で楽しい乗り物ですが、排出ガスが地球温暖化の原因になるなど、地球環境に影響を与えてしまいます。空気から受ける力が小さい方が、少ないガソリンで遠くまで走れるため、車の空気抵抗低減は温暖化抑制方法の一つです。この空気抵抗は物体の形で大きく異なり、周りの空気が綺麗に流れる方が小さくなるということで、実際に円柱と翼型2つの模型を使った実験でその違いを体感することができました。

 後半の実習は、空気抵抗の小さい車を作るコンテストでした。生徒たちは、空気抵抗が小さい車の形を考えて模型を作成し、日産の方が自作されたミニ風洞でその空気抵抗の大きさを測定しました。前半の講義を踏まえて、どのような流線型にすればよいか悩み、様々なアイデアが生まれていました。模型の前面の向きや、テープの貼り方でも空気抵抗が変わるため、細かい部分も考えながら模型作りに没頭しました。

 

 この講座は、2年次課題研究授業(サイエンスリテラシーⅡ)の流体・構造力学分野の研究に繋がっていきます。本校では、CADを用いた3Dモデルの設計、流体シミュレーション、3Dプリンターでの模型作成、風洞装置を用いた実験などに取り組むことができます。今後の研究活動が非常に楽しみです。

 

 今回の講座にご協力くださった日産自動車株式会社の皆様には、心より感謝申し上げます。

 

  

 

 

サイエンスリテラシーⅠ 報告(9月~10月に実施)

講師:本校教員­

  

◇テーマ:化学のサイエンス

◇概要:化学分野での探究活動を行っていく上での基礎・基本となる理論や方法・操作を学びます。テーマⅠでは、化学の定量的な考え方を理解し、分析機器を用いた実験操作を学びました。アマランスという赤色の食用色素を用いて、こちらで用意したアマランス溶液の濃度を分析し求めます。テーマⅡでは、「分ける」操作についての理論と技術を学びました。今回は薄層クロマトグラフィーというシートを用いて、食用色素の分離を行いました。(本実験は食用色素を用いているため人体に有害な物質は使用していません。また、ガラス器具等も特別使用しないため、危険は特にないと考えられます)

◇内容 

1週目・2週目                          

①導入                               

②実験開始             

③片付け・振り返り   

 

 

 

    

  【YSFH サイエンスセンタープログラム「紙ひこうきを科学する」】

  11月24日(日)、本校交流センターにて、小中学生を対象にしたサイエンス教室「紙ひこうきを科学する」が行われました。今回のコンセプトは、紙一枚で簡単に作ることができる紙ひこうきに、ひと手間加えてより遠くへ飛ばす方法を考えるというもので、本校のサイエンス委員会の生徒たちが企画、準備、運営を行いました。

 教室の最初は、飛行機が飛ぶ原理を学ぶために、揚力についての説明がありました。難しい内容でしたが、皆さん集中して聞いてくれていました。説明の後、グループでの自己紹介を兼ねたミニゲームを経て、いよいよ紙ひこうきの製作に取り掛かりました。学んだばかりの揚力を早速取り入れてみたり、重心を変化させてみたりと、皆さん思い思いの工夫をしながらたくさんの紙ひこうきを作っていました。試しに飛ばしてみて、その結果を踏まえて改良を加えている様子は、まさしく科学で重要な「仮説→実験→結果→考察」の流れでした。製作時間終了後は、グループ毎に一つずつ飛ばして距離を競う測定大会が行われました。中には10m以上飛んだ紙ひこうきもあり、大きな歓声が上がっていました。

 参加してくれた皆さん、ありがとうございました。

 

  

 

 

  【創立10周年記念式典】

 11月29日(金)、みなとみらいホールにて創立10周年記念式典が挙行されました。

 当日は晴天に恵まれ、多くの来賓、保護者、卒業生の皆様をお迎えし、高等学校、附属中学校の全生徒が見守る中、盛大に執り行われました。

 

 内容は第一部の記念式典に続き、第二部では筑波大学名誉教授の白川英樹氏による特別講演、第三部では音楽部と校歌制作者のオオゼキタクさんによる演奏会というものでした。

 

 第二部の白川英樹 筑波大学名誉教授の特別講演では、先生の幼少期の話に始まり、普段の生活の中から関心をもったこと、疑問に思ったこと、そしてプラスチックという素材に注目した経緯を詳しくお話いただきました。そしてノーベル賞を受賞した研究のことだけでなく、中学・高校生にとって学ぶということがどういうことなのかという大変強いメッセージを送っていただきました。

 

 第三部の音楽部とオオゼキタクさんによる演奏会では、音楽部による演奏の後、オオゼキタクさんより「桜道」をご披露いただきました。最後には音楽家柳瀬佐和子氏により編曲された管弦楽用校歌を音楽部・オオゼキタクさん・有志生徒により披露演奏されました。音楽部と有志生徒はこの日に向けて日々練習を重ねてきました。当日の演奏、歌声はとても素晴らしく、美しい音色がみなとみらいホールに響き渡りました。

 

 お忙しい中ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

 

 また、創立10周年記念事業として、蒼煌会の支援により記念誌の発行、後援会の支援により本校中庭に実験生物慰霊碑が設置されました。

 

 

 

 

 

 

  【サタデーサイエンス特別編 地学実習】

 

 11月30日(土)、本校にて、サタデーサイエンス特別編・地学実習を1年次生の希望者向けに実施いたしました。この講座は、理科の中で1年次に設置されてない地学を体験してもらうことを目的に行われました。地学は4分野に分かれており、「地震」「気象」はサイエンスリテラシーIで、「天文」「地質」は今回のサタデーサイエンスで体験します。

講座は、以下の2種類が行われました。

① (地質)ふるい分け法による粒度分析

講師:河潟俊吾先生(横浜国立大学)

概要:地層は、様々な種類、粒度の堆積物でできています。本講座では、実際の堆積物を「ふるい」を使って分析し、堆積物の粒度分布を求めます。

② (天文)すばる画像解析ソフト確固「マカリ」を使った星団年齢の推定

講師:本校教員

概要:「マカリ」とは、すばる望遠鏡などで得られた天体データを解析できるソフトです。本講座では、星団の画像を「マカリ」で解析し、星団の年齢を推定します。

 

参加した1年次生にとっては、地学に触れる貴重な機会になったと思います。横浜国立大学の河潟先生、ありがとうございました。

 

 

 

 

  【Science Immersion Program 2019】

 

  Science Immersion Programは、1年次生が、2年次のマレーシア研修旅行に向けて、さらには将来の研究者としてプレゼンテーションをする場面を想定して、サイエンスのテーマについて英語でプレゼンテーションができるように準備するプログラムです。今年度は、10月23日(水)~ 25日(金)の3日間行われました。最初の2日間は、地震、コンピューターサイエンス、振り子、DNA、pH、SDGsの6つのテーマについて、インドネシア、シリア、ガーナなど様々な国から日本に留学している大学院生の方々から講義を受け、実験、実習、討論等を行いました。3日目は、クラスでグループごとに1つのトピックについてプレゼンテーションを行い、選ばれた代表グループは、学年全体の前でプレゼンテーションを行いました。

 自分の考えや言いたいことをどのように英語で表現すればよいのか悩む生徒もいましたが、協力のもと、最後はどのグループも工夫をこらしたプレゼンテーションを行うことができました。このプログラムに参加したサンモール・インターナショナルの生徒とも交流ができ、とても充実した3日間になりました。

 

   

         実習              プレゼンテーション

 

         表彰

 

 

  【2年次 マレーシア海外研修】

 

 10月21日(月)~25日(金)、2年次生はマレーシア海外研修に行ってきました。その研修内容をレポート形式で紹介します。

 

 1日目は、成田空港からマレーシアのクアラルンプールへ向けて、7時間かけて移動しました。

 

2日目は、現地の教育連携校であるKYS (kolej Yayasan saad)を訪問しました。このKYSで全生徒が今までの研究内容をポスターにまとめ、英語で発表しました。緊張する生徒も多く見受けられましたが、皆無事に発表を終えることが出来ました。KYSの生徒の皆さんも熱心に発表に耳を傾け、優しく質問をしてくれました。発表の残り時間には、折り紙やカルタ等を使用して、交流しました。午後は、海外研修係の生徒たちを中心に準備してきたダンス、ソーラン節、落語などを通して、文化交流を深めました。最後にYSFHとKYSの生徒が一丸となって歌を歌った瞬間は、会場が感動に包まれました。

 

 3日目は、各自選んだコースにそれぞれ分かれて活動しました。

 午前中はリーバークルーズ・コースで川の生態系を、FRIM・コースで熱帯雨林を、そしてバツー洞窟でインド文化を学びました。また、午後は伝統工芸のバティック染め体験、特産品のピューター(すずの合金)制作体験と、それぞれのコースで、実体験しました。

 

また、課題研究(サイエンスリテラシーⅡ)代表生徒は、3日目にプトラ大学でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションに加え、プトラ大学の教員によるバイオサイエンスに関する講義と実習、キャンパスツアーなど、非常に実りある体験をさせていただきました。

 

4日目は、現地大学生の力を借りて自由にクアラルンプール市内を散策するB&S(Brothers and Sisters)プログラムを行いました。生徒は班ごとに分かれて事前にコースの計画をたてました。大学生と英語でコミュニケーションをとるのがとても新鮮な体験になったようです。

 

5日目、とても充実した研修を終え、全員無事に帰国することができました。

 

研修に向けて課題研究をはじめ、いろいろな準備を計画的に行ってきたおかげで、この5日間は大変有意義な経験ができました。今年で、10回目となりますが、毎年ご協力いただいているKYSの生徒や教員の皆様、ありがとうございました。

 

 

   KYSでのポスター発表       レクレーションや折り紙で交流

 

 

 最後はみんなで肩を組んで合唱         リバークルーズ

 

 

    ピューター制作体験         プトラ大学での発表