令和7年度 校長所懐
校長所懐 令和7年6月
米騒動とはうまくいったもので、今から100年以上も前の大正時代、1918年に起こった約50日間にわたる1道3府37県の計369か所、延べ数百万人が参加した大暴動のことです。記憶に新しいところでは、いまから32年前の1993(平成5)年、記録的な冷夏の影響もあり、米不足となり店頭からお米が消え、米騒動と報道されました。この時はタイ米が話題になりました。日本のお米のおいしさを再確認させられたことを覚えています。その後、日本はどんな政策で、どんな流通で、どんな方法でお米を作り販売してきたのでしょう。今年、3度目の米騒動なるものに直面しました。中学生の皆さんにとっては初めてのことでしょう。今回の米不足の原因については様々な情報が飛び交っています。さあ、あなたどんな答えであなた自身を納得させていますか。単にお米が不作だったから?インバウンドでお米の需要が増えたから?誰かが買い占めているから?万博があったから?政府の政策の影響?それとも…?今、皆さんに求められている力は、情報を集め、正しい判断をする力です。そのうえで正しい行動をとることです。特にネット上にあふれる自由な意見、まことしやかな話など何が本当なのか判断に迷うものが多くあります。初めに米騒動と書きましたが、この表現だって当を得ていると言えないのかもしれません。
おにぎり、おすし、丼などお米は私たちの生活に欠くことのできない主食としてずっと愛されてきました。今、そのお米と真摯に向き合うことで、私たちの社会が抱える種々の課題に気づくチャンスでもあります。さあ、考えてみましょう、あなたなりのコメントを。え、米不足だから「ノーコメント」?!
後藤 秀吉 令和7年6月28日
校長所懐 令和7年5月
日和とはうまくいったもので、ここ数日は空模様を気にする日々が続いた。今日は、予報通りの雨。時に雨脚が強まることもあり、昨日がいかに恵まれていたかを改めて実感させられた。昨日の最高気温は21℃、太陽も雲の合間から差し込む程度で、スポーツをするにはうってつけのコンディションだった。
開会式が時間通りに始まった。先頭で校旗を掲げる生徒会長、その後ろにスポーツ旗を掲げるは3色の応援副団長と体育祭実行委員長。晴れがましい姿だった。青組団長からの優勝旗返還、生徒会長の言葉、二人の実行委員による競技上の注意と式はスムーズに流れ、3人の応援団長による迫力満点の選手宣誓が行われた。準備体操、切り絵イラスト部と美術部による装飾や看板の紹介が終わるといよいよ競技の開始だ。100m徒競走。最後まで真剣に走る姿とそれを力いっぱい応援する姿に体育祭という行事がもつパワーに衝撃を受けた。次のO—1(オーワン)グランプリで、ハードル、縄跳び、ぐるぐるバット、麻袋と悪戦苦闘しつつもあきらめない姿を見て確信を得た。今年の体育祭も大綱中の良き伝統を引き継いだ素敵な体育祭になると。各色の応援発表もまさに甲乙つけがたいまとまりのあるものだった。時間が押して3年生の学年種目は昼食後になったが、最後の色別対抗リレーでは会場全体が一つになって盛り上がった。今年も大綱中らしい一所懸命に頑張り、一所懸命に応援する体育祭になった。
5月になってからは、初夏の暑さと春の温かさや肌寒さがランダムに訪れた。さらには4月からの緊張が緩み、心も体も管理が難しかった。そんな時期だからこそ体育祭のもつポテンシャルの貢献度は高い。がんばった自分への自信やがんばった仲間への信頼が生まれていた。5月29日は天候も取組もまさに体育祭日和だった。
後藤 秀吉 令和7年5月30日
校長所懐 令和7年4月
令和7年度が始まりました。大綱中学校に赴任して4年目となります。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
信とはうまくいったもので、「信」という文字は、「まこと、偽りがない、信じる、しるし、任せる、手紙、便り」といった意味をもち、「信実」「信用」「信頼」「信念」「信任」「確信」「過信」「自信」「所信」「不信」「信条」「信心」「信託」「交信」「通信」「送信」「受信」「返信」「発信」「音信」といった言葉に使われます。
入学式で新入生への式辞の中でも、「信」について次のように触れました。
皆さんに今日伝えたい言葉は、「信は力なり」という言葉です。信は信じるの信です。信じることでパワーが生まれる。これは、京都にあった伏見工業高校ラグビー部で受け継がれてきた言葉です。仲間を信じられるか。頑張った自分を信じられるか。信じられるだけの努力をしてきたか。すべて信じられたときにとてつもない力が発揮されます。皆さんは、まずは「自分を信じる」ことから始めましょう。中学生になると、小学生のときとは違うことに日々直面します。できないこと、わからないことにも直面します。その時、あなたはどうしますか。努力して克服できれば何よりいいことですが、うまくいかなかったときはどうしますか。誰かのせいにして放っておきますか。そうするとどんな中学校生活が想像されますか。大切なことは、結果だけではないということです。自分自身をふりかえり、そして努力した自分がいたらそれは認めていく。自分を信じるとはそういう意味です。まずは、そこから始めてみましょう。
大綱中学校の生徒の皆さん、信じられる自分(の努力)を見つけられる1年間をぜひ体験してください。そして、そんな仲間に気づいたら、心から素直に応援してください。そういう学校を皆で作り上げていく年になると私は信じています。
後藤 秀吉 令和7年4月7日