校長所懐 皐月その2

皐月とはうまくいったもので、サツキが咲くころだからといった説もあるそうだ。サツキが咲くころと書いたが、サツキとはどんな花なのか、この辺りに咲いているのかと疑問になった。調べてみたら、ツツジと似た花で、1か月ほど遅く咲くやや小ぶりの花とあった。もしかしてと思って連休中にふらりと歩いてみたら、いろんなところで小ぶりのツツジ=サツキを発見できた。ツツジからサツキにバトンパスすることで季節が移り変わっていく。俳句ではツツジは春の季語でサツキは夏の季語となるそうだ。

初夏の訪れとともに、新型コロナウイルスの扱いが変更され、一気に新たな展開かと思いきや、子どもたちがマスク生活から抜け出すにはまだ時間が必要のようだ。急に暑くなり、今度は熱中症対策が最優先となった。命を守ることが何よりも優先されるということは言うまでもない。さて、大綱中学校の初夏は、コロナとは直接の関係はないが、大声や手拍子などが聞こえてくるようになった。教室からは、号令の下、手拍子やリズミカルな声援や団扇をたたく音がとどろく。グランドや体育館からは、「せえのっ。1、2、3…」という声ともに、びゅん、ばしっ、ああ、おお、などという複数の声がこだまする。今年度から体育祭が秋から初夏へと変更され、学級対抗種目で大繩が新たに加わったためである。2分間でどれだけ跳べるかを競う。試行錯誤の連続にそれぞれのドラマが生まれる。ここにきて梅雨が早足で迫ってきた。連日はっきりしない空模様が続く。5月なのだから当然なのかもしれない。『五月雨』とは梅雨のことをいうのだから。明後日6月1日の体育祭は、五月晴れを願う。

 

後藤 秀吉   令和5年5月30

 

 

 

校長所懐 皐月

 
脱○○とはうまくいったもので、長く続いた新型コロナウイルス感染症対策が大きな転換期を迎えようとしている今は、さしずめ脱コロナといったところだろうか。令和5年度が始まって1か月が経ち、学校生活も大きな転換期を迎えている。
4月は、18日から2泊3日で横浜市の先陣を切っての修学旅行だった。大綱中伝統の広島での平和集会には今回も感動させられた。平和への願いがきっと届いたはずである。集会の時にも感じたが、海外から観光に来た方々が実に多かった。原爆ドームや記念館、駅や商店もしかり。これは大阪でも同様だった。脱コロナ、脱マスク、脱沈黙といったいろんな脱○○な光景があちらこちらで見受けられた。
さて、学校はといえば、そんなに一気に変われるわけではない。これまでの3年間で心身にしみ込んだ感染症対策は違った意味での影響も及ぼしている。慣例で行ってきたことが精査されたという良さはある。しかし、削減、縮小、中止といった言葉が大手を振っていたという点からすれば、必ずしも精査とは言えないこともある。さらには、手洗いうがいに加えてマスク着用が当たり前のこととなり、半ば強制・義務化となっていた。おかげで大事に至らずに救われた人も多くいたはずである。一人ひとりがしっかりと判断して生活したからだろう。3月の修了式と4月の始業式で、このコロナ対策の3年間で、自分で判断する力がついたという話をした。判断は人それぞれであり、お互いに尊重されなくてはいけない。いよいよ5月8日を迎える。新たな判断の時=成長の時がやってくる。
さあ、あなたは5月8日をどんな脱○○の日にするのだろうか。

 

後藤 秀吉   令和5年5月2日