2年 平和学習 ~ピースコミュニケーションの試み~

ピースコミュニケーション

実施日:2020.07.28(TUE) 場所:もえぎ野中学校 2年生教室&放送室

2学年平和学習 ~ピースコミュニケーションの試み~

 夏休みを直前に控え、2年生は「平和」について考える一つの試みとして「ピースコミュニケーション」にを体験しました。今回は、”なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか~ピース・コミュニケーションという試み~”の著者である、伊藤剛様をお迎えして「平和」と「戦争」のイメージ、平和が伝わりにくいのはなぜか、戦争に傾いてしまう心理、そして『答えのない問いに対してどう向き合うのか』を考えました。

 日々の授業や今までの平和学習の中で「戦争」と「平和」を当たり前のように使って、これらの言葉を『相反する語句』として普通に使い、『戦争は決していけないこと。平和のために、戦争は起こしてはいけない。』という思考をしてきました。しかし、戦争と平和についてをじっくりと考えてみると、一筋縄ではいかない問題が発生することを知りました。

 授業の後半で行った『クロスロード』では、”市長”になった自分の町が爆弾で破壊されたことを想定し、破壊された建物を”戦争遺構(戦争があったことを忘れないようといったような目的で保存する、破壊された建物などのこと)”として保存するか、あるいはすべて取り壊すか。”平和交渉人”として紛争地域に行って『多くの人の命を奪った人たちの罪をなかったことにし、それらの人がその国の政治を担う重役に就く』という条件で内戦を終結させると言われたら、平和交渉人であるあなたはこの条件を承諾するか、しないかといった、どちらの答えをとっても、何らかのメリットとデメリットが生まれる『答えのない問』について考えました。

 普段であれば、問題の答えが出てすっきり終わることが多いと思います。しかし、今回のピースコミュニケーションでは「どれが答えなんだろう」といった形で終わりました。私たちの毎日は刻々と状況が変化し、その中で「今できる最善の選択」をしていく毎日だと思います。今日の平和学習で考えた「答えのない問」にどうやって向き合っていくのかを考えさせられる時間となりました。

 

 最後になりましたが、お忙しい中もえぎ野中学校の平和学習に協力していただいた伊藤剛様に感謝いたします。本日は、大変貴重で充実した時間をありがとうございました。
今日の時間が、これからの生徒のみなさんの日々の中で、何かを考えるときのヒントになればと思います。日本列島は、これから遅めの夏を迎え、75年目の終戦の夏を迎えます。世間では過去の戦争について考える機会が格段に増える時期です。何かのきっかけで、あなたがその状況に出くわしたときに、今日の授業で考えたことを思い出してみてください。そして、そこで問われる問題は、本当にその問題の核心を考えているのかを見極めてみてください。私たちの身の回りには、たくさんの「答えのない問」があります。その問に向き合い続けることをぜひ忘れないでください。