ある学年の担任の先生が、

少し涙ぐみながら、職員室に入ってきました。

「委員会が、じゃんけんなしで決まったんです。

 もう、その子どもたちの様子に感動しちゃって・・・」

うるうるしながら教えてくれました。

 

高学年にとって、委員会の所属を決めるのは、

簡単なことではありません。

自分の活躍できる委員会に所属したいとは、

誰でも思うことです。

でも、委員会は、人数が決まっています。

だれでも、自分の希望を通せるわけではありません。

どうしても決まらないときは、

仕方なくじゃんけんで決めることもあります。

気の優しい子どもの善意だけに頼るわけにはいかないからです。

 

さて、うるうるしていたその先生の学年でも、

希望が重なって、すんなり決まるわけではなかったそうです。

強い気持ちで、希望の委員会がある子が重なったり、

どこでもいいや、という感じの子がいたり。

どうしよう、と先生たちが思っていたら、

ある子が、強く希望していた委員会を

別のところに変えたのだそうです。

「別の委員会でも、自分の力を発揮できると思うから。」

と言って。

先生は、

「本当にいいの?後悔しない?」

と、心配で声をかけたけれど、

その子は、大丈夫と言って、そのままだったそうです。

それにつられて、他の子どもたちも、

全体のバランスを見ながら、それぞれの委員会に分かれて、

とても、よい雰囲気で全部が決まったそうです。

その、子どもたちの様子を見て、

担任の先生は、思わず涙をこぼしてしまったというわけです。

 

聞いているだけで、

心が温かくなりました。

素敵な学年のエピソードです。