義務教育9年間を修了し、凛とした姿で、未来を見すえる73名の皆さん、卒業おめでとうございます。

君たちは、平成31年4月に第60期生として寛政中学校に入学しました。その時、私は君たちに3つのことをお願いしました。
この3年間、「授業を大切にし、言動や行動に責任を持ち、たくさんの感動体験を共有」できたでしょうか。かつて経験したことのない大きな壁、逆境に正面から立ち向かい、今やるべきことは何なのか、何が大事なのか一人ひとり考えて行動していました。
目を閉じて思い出してください。部活動では、制限のある活動を強いられたなかでも、創意工夫し、取り組んだこと、体育祭では、実行委員会、4色のリーダー・サブリーダーを中心に、全身全霊で取り組み、魂のソーラン節、エイサーを見事に 披露してくれました。君たちが全力を出し切った勇姿は、深く後輩たちの胸に刻み込まれました。
また、寛政祭で見せた3・4組の影絵「レッツ チャレンジ」 学年劇の「寛政24時間テレビ」第一場面からエンディングまで、音響から照明、衣装、大道具・小道具、キャスト・黒子、映像、ダンサーのメンバーそれぞれ一人ひとりが 細部にわたり、魂を込め、学年がクラスがワンチームとなり、素晴らしい 影絵や演劇、ダンスを見せてくれました。あの時、みんなで共有した感動を、忘れてはいけない。それこそが、君たちが目指していた「絆」です。仲間との絆、先生方との絆です。
委員会活動、縦割りでの活動では、最上級生として、質の高い取組と成果を、後輩へ与えてくれました。君たちが創りあげてくれたものは、寛政中の伝統として引き継がれていくと、確信しています。この3年間、君たちはすべてのことに全力で取り組みました。私もまた、君たちの優しさに触れ、勇気をもらいました。本当にありがとう。
 廊下のごみを拾い、さっとごみ箱に捨てた君、ハマ弁の散乱したものを、何のためらいもなく、素手で拾って集めてくれたあなた、困っている人を見たら、そっと手を差し伸べてくれる君たち、私の大好きな言葉「ワン フォー オール オール フォー ワン」 「一人は みんなのために、みんなは ひとりのために」3年間、心の中に持ち続けてくれて、本当にありがとう。美しい心を持ち続けている、君たちを誇りに思います。
 君たちは、最終学年で劇的に変化しました。私の想像を、はるかに超え、強く、たくましく、優しく、我々教職員が、頼もしく思うまでに、立派に成長しました。君たちの残した「栄光の足跡」に対し、心より「敬意」をあらわし、惜しみない「賛辞」を贈ります。
 4月からは、それぞれの新天地で、友を見つけ、恋をし、夢を追い続けていき、一歩ずつ階段を登り「おとな」になっていくことでしょう。高校生活は、数年しかない。為すべき一つひとつに、全力を尽くし、能力の限り、頑張ってほしい。良き師に出会い、良き友に出会い、良き時間に出会ってほしい。
地域の方々や、保護者の方々に、温かく見守られている君たち、日本各地で起きた大震災・自然災害を、決して風化させることなく、被災された多くの方々に、心から哀悼の意をあらわしてほしいです。君たちは「横浜の宝」「日本の宝」なんです。ぜひ君たちの力で地域を、日本を盛り上げてほしいです。「リスペクトアザーズ」「ともに生きる」を強く持ってください。
結びになりますが、本日はご来賓として、おひとり、PTA副会長様にご参列いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
保護者の皆様、ご臨席叶わなかった地域の皆様、卒業生をいつくしみ、育んだ、深い愛情と、尊いご苦労に、心から敬意を表します。特に今年度は、「自分と自分の大切な人の命を守る」ということに、心を砕かれた 一年だったと推察いたします。感染予防という難しいリスクマネジメントをやり通し、困難に打ち克った一年でした。さっそうと巣立ちゆくお子様に、感慨もひとしおのことと拝察し、お祝いを申し上げますとともに、ご入学以来、本校教育の推進に、多大なるご理解、ご協力を頂いてまいりましたことに、そして、どんな時でも、子どもたちを見守っていただいたことに、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
最後に、巣立ちをする、君たちへの祝いの言葉を持って、私の式辞とします。
寛政中学校 第60期生の諸君 「リスペクトアザーズ」を貫いてくれてありがとう。これからの人生という物語、主役も作者も自分自身。60期生の前途に栄光あれ。
 
 
令和4年3月9日

横浜市立寛政中学校

校 長 森 勝義