新入生の皆さん、寛政中学校への入学、おめでとうございます。

皆さんは今日、新しい中学校の門をくぐり、中学生として緊張する思いと共に、希望に胸ふくらませて、この入学式に臨んでいるのだと思います。
 2,3年生の先輩も今日は一緒に式に参加し、1年前や2年前の自分のことを思い出しながら、優しく見守ってくれていますので、安心してくださいね。
そして今日は、保護者の皆さまや地域、小学校の来賓の皆さまも多数、ご臨席をいただき、皆さんの門出を祝福してくださっています。お忙しい中、本校の「第62 回 入学式」にご臨席いただき、誠にありがとうございます。
さて、新入生 70名が今日から、寛政中学校の一員となりました。そこで、みなさんに是非とも心がけてほしいことがあります。
それは、誰もが気持ちよく、安心・安全に 心豊かに生活するために、「お互いの存在」、「お互いの違い」を認め合える人になってほしい、ということです。 一人ひとりは、みな違う顔で、声も違う、身長も体重も違います。昨今では、「マスクを付ける、付けない」についても、それぞれの事情や考えから、みな同じではないです。物の見方や考え方も、それぞれ違うことも普通にあります。さらに、これらの違いは、「どちらが上で、どちらが良い」というものではありません。
私たち人間は、自分や自分たちと違うものに出会ったとき、仲間外れにしたり、攻撃したりすることが多い生き物だと言われることがあります。しかし、そうした違いを理由に人を排除したり、差別、攻撃する行為は絶対に許されません。「お互いの違いや個性を認め、自分も人も大切にできる」、誰もがそんな学校生活を送るために必要なことは何でしょう。それは、お互いの「心遣い」や「思いやり」ではないでしょうか。例えば、「自分がされて嫌なことは、人にしない」。これは当然のことですが、「自分がされて平気なことでも、相手にとっては嫌なことって、実はたくさんある」ということを是非、中学生になった君たちには、わかってほしいです。
相手への「心遣い」や「思いやり」で大切なのは、相手の思いや、様々な事情を見ようとする心、つまり、「想像する力」です。「自分がもし〇〇だったら」と想像したり、相手の立場に自分を置くことです。
「想像」の、「想」の字を見てください。「相手」を「心」で支えています。                         
皆さん一人ひとりの相手を支えようとする思い、心遣いが、「学級のまとまり」や「学年の団結」につながります。さらに、それが「充実した寛政中での生活」につながります。            
今日より皆さんは、出身小学校が違っても、生まれた場所や国籍、男女の違い、障がいの有る無しなど、様々な違いがあっても、誰もが「寛政中の生徒」です。また、皆さんの周りには、小学校時代の自分自身をリセットして「再出発」しようとしている仲間もいると思います。大切なのは、自分も友達も、今までがどうだったかではなく、また、これからどうなるかではなく、今、この時、この場で、何を考え、どう行動するかが大切です。どうか、今日の出会いを大切に、お互いの存在や、お互いの違い、個性を「認め合える人」になってください。
詩人の石川啄木の言葉を紹介します。
「人は出会って知人となり、語らい合って友人となり、共に汗して仲間となる」、
とても素敵な言葉だなぁと思います。
今日の新しい出会いを大切に、これからの中学校生活で、共に汗をかき、協力し合って、真の「仲間」になってください。
 
保護者の皆さま、お子様のご入学、誠におめでとうございます。思春期を迎える中学校での3年間は、お子様が心身ともに、大きく、たくましく成長する時期であり、一方で、自立に向けて、悩みや葛藤を抱えやすい時期でもあります。どうか、近くで しっかりお子様を見守り、小さな行動にも気を配り、しかしながら、先回りせずに、「待つ」ことが大事になってきます。                  
そして、時には人生の先輩として、共に生き方を語り合える親子関係も大切にしていただければと思います。その時に、「私はこう思うのだけど、あなたはどう思う?」と聞いてあげてください。そう聞くことが、「指示」から「提案」に変わり、「あなたが決めていいんだよ」というメッセージになります。それは、「決める力」を付けていくことにつながり、子どもの「自立」に向けた支援になるのだと思います。           
加えて、お子様の健やかな成長のためには、学校と家庭とが、それぞれの役割を果たしながら、お互いに協力し、「信頼に根差した関係」を築いていくことが何よりも大切であると考えています。今日からの中学校生活やお子様のことでご心配なこと、疑問に思うことなど、ありましたら、どうぞ、遠慮なく学校に ご相談ください。「寛政中学校に入学して、子どもが こんなに成長して本当によかった」と、卒業の時に思っていただけるように、私たち教職員一同、努めてまいります。      
 では、あらためて、「寛政中」1年生の皆さん、「思いやり」は、「想いやり」です。
「協力し合って」、「仲間」になります。 入学、おめでとうございます。