「児童一人ひとりが国際平和のための自分の考えを言葉で表現することによって、国際平和に対する意識を高め、国際社会で自分たちのできることを実践しようとするグローバル人材を育成する。」という趣旨で、毎年、横浜市内の小中学校、特別支援学校を対象に実施される「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」で、下末吉小学校の代表となった6年生のスピーチを紹介します。

 

「仲間と一いっしょに」

 下末吉小学校の6年生

  「一人ぼっちを作らない。」これは、私が6年生という最高学年になって考えるようになったことです。最近、よくニュースで見るのが、仲間外れや、からかい等で、一人にされてしまい、嫌な思いをしてしまう子どもたちが多いことです。もっと残念なのは、そのようないじめがきっかけで、命を絶ってしまう事件が世の中に起きていることです。私はこういうニュースを見て、「どうして多くの学校でこのようないじめが発生してしまうのだろう。」「私にできることって何があるだろう。」と疑問をもち、考えることが増えました。

 162人。これは私たち下末吉小学校の全校児童の人数です。鶴見区のどの小学校よりも少ない人数です。みなさん、この少ない人数だからこその良さがあるのですが、どんなことだと思ますか。それは、一人ひとりの顔と名前をみんながすぐに覚えられることです。そして、他の学年の人との交流が多くなることです。

 私は今年、たてわり委員会の委員長になりました。この委員会の目標は、「太陽のように明るくて楽しい場所をつくりあげよう。」です。そのために、たてわり委員会の委員長として、クイズ大会など、グループのみんなが協力して、相談し合える集会をひらき、それぞれ一人ひとりが自然とかかわりがもてるようにしていきたいです。そうすることで、朝の登校班や休み時間などで、他の学年のお友だちと会ったときに、「おはよう」と声をかけたり、手をふったりなど、少しでも関わることができ、悩んでいる子たちも、同じ学校の仲間に相談することができるかもしれないし、一人ひとりの様子についても、全体で知れるのではないかと考えました。

 顔や名前を覚えて関わることと、いじめの問題で悩んでいる子たちを救うことがすぐに結びつかない人もいるかもしれません。関わりを続けていくことで、ちがう学年の人たちにも心を開いて、どんなことも話をしてくれるのではないかと思います。私たち6年生は、特にその役割を果たすことが大切だと考えています。最高学年として、どの学年にも関わり、一人ひとりの仲間のことを知り、みんなで温かい学校をつくっていきたいです。

 世の中のいじめで苦しむ子の多くは、だれにも助けを求めることができず、一人ぼっちで悩んでいます。みんなが、自分の身近な人たちに関心をもち、関わることで、そんな人たちも救われると考えます。私ができることは、限りなく小さなことかもしれませんが、まずは、自分が通っている学校を誰もが安心して楽しく通える学校にしていきたいです。