関東大震災100年

 校長 今野 敏晴

 9月1日は、「防災の日」。1923年9月1日、関東地方をおそった関東大震災は、多くの犠牲者を出しました。そして、この時期は、台風シーズンを迎える時期でもあります。1959年の伊勢湾台風が契機となり、「防災の日」は、台風・豪雨・洪水・地震・津波などの災害についての理解を深め、災害への備えを怠らないにしようと意識を高める日となりました。
 今年は、関東大震災発生から数えて100年目にあたります。日本の防災対策の礎となった大震災当時の被害状況を振り返る報道や国・自治体等のHPに資料展示など、多くの方が目にされていることと思います。内閣府の報告書によると、関東大震災を引き起こした大地震の規模は、マグニチュード7.9。首都圏などが、現在の震度7や6強に相当する激しい揺れに襲われ、住宅の倒壊、火災、土砂災害が相次ぎ、沿岸部には津波も押し寄せました。東京や神奈川を中心に11万棟近くの住宅が全壊し、火災による焼失建物は21万2000棟を上回りました。死者・行方不明者は10万5000人を超え、明治以降の日本では最大の災害となりました。発生したのが、お昼どきであったのと、台風が過ぎさった後の強い風にあおられ、火災による被害が大きいのが特徴です。神奈川県内では直下型地震であったことから、家屋の倒壊や土砂災害の被害も多く報告されています。近隣の鎌倉では、鶴岡八幡宮の拝殿など歴史ある神社や仏閣が倒壊したほか、重さ121トンもある鎌倉大仏が30センチ以上ずれ動いたとされ、大仏が動くほどだったのかと地震の脅威を感じます。
 本校では、9月1日に震度7以上を想定した総合防災訓練を実施します。放送機器が使用できなかったり、窓ガラスが飛散していたり、負傷者がでたりすることも想定し、全職員で児童を安全に避難させる訓練を行います。また、子ども達にも、学校での避難の仕方や学校以外でも身を守るためにどのような備えや行動をしたらよいかを考えさせます。10月には、4年生が社会科学習の一環として、市内唯一の体験型防災学習施設「横浜市民防災センター」へ見学に行き、防災について学んできます。
 子どもたちの防災対策は、学校だけでできるものではありません。日頃からの備えの他、集団登下校や保護者による引き取りなどいざというときには、保護者の方にご協力いただくことがあります。また、本校は、大地震や豪雨による土砂災害が予想さえる場合の避難場所に指定されています。学校が地域防災拠点になったときに備え、毎年、小雀小学校地域防災拠点運営委員会の計画により、地域防災拠点訓練を実施しています。今年は、11月26日(日)の開催に向けて準備を進めています。
 大切なのは、いつ起こるとも知れない災害の備えや日々の見守りにおいて、計画や実施体制をつくってよしとせず、学校を核として行政や地域、保護者が手を携え、環境の変化や最新の知見に基づいて見直していくことであると考えています。大切な人に悲しい思いをさせないために、まさかの時のための備えや意識を高めていきたいものです。
 横浜市では、自宅で気軽に防災を学べるウェブサイト「よこはま防災e-パーク」を開設しています。「一般」、「子ども」、「地域防災」、「事業所」の4つのコースから御自身にあったコースを選択し、動画や確認テストを中心に学習することができます。一般財団法人ポケモン・ウィズ・ユー財団
との連携により、「子ども」コースからは「ポケモンぼうさいきょうしつクイズ」に挑戦す
ることができます。この機会に是非お子さんと一緒に学んでみてはいかがでしょう。

 9月号の詳細は、こちらからご覧ください 

 
 
 

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