ネーミング効果 

校長 今野 敏晴

 9月5日から8日まで、夏休み中に取り組んだ子ども達の作品を展示しクラスや学年で見合いました。残念ながら保護者の参観は控えていただきましたが、力作が並んでいて見ごたえがありました。中でも私の目に留まったのは、作品の素晴らしさと共にカードに書かれた作品名です。例えば、「お花畑でおにぎりパックン」「神秘世界に手を出す人間」「さそり座たずねて何光年」。これらの作品名は「ぜひ作品を見てみたい」「作品の世界に入ってみたい」と興味をそそられ、作品と比べながら鑑賞しました。作品に名前をつけるときは、見てもらう相手を意識して、作品のアピールポイントを強調したり、分かりやすいアナウンスを心がけたりすることは大切なことです。
 私たちの生活の中には実に多くの商品があり、それぞれに商品名がついています。「面白い名前だなあ」「なぜこんな名前をつけたのだろう」と興味をもつことも多いでしょう。同じような商品が売り場に並んでいてもネーミングのよいものを購入してしまうものです。「ネーミング」の重要な役割の一つは「他と区別」することです。たくさんの人、もの、情報が溢れかえっている現代ですので、その中で、間違えないよう区別化します。『名は体を表す』という言葉がありますが、良くも悪くも、ネーミングには見た人、聞いた人にそれがどのようなものかイメージを与え、想像をかき立てる効果があります。
 先週の朝会で夏休みの作品のぐっときた作品名を紹介しました。合わせて、ネーミングを変えた効果でヒットした商品を取り上げました。旧「缶入り煎茶」→新「お~いお茶」(お茶缶)、旧「フレッシュライフ」→新「通勤快足」(紳士用防菌防臭靴下)などです。これらは、ネーミングの響きだけでなく、その商品が持っている機能や特長を分かりやすく表現することで売り上げの向上につなげました。例えば、通勤快足では、最初のネーミング「フレッシュライフ」では商品の特長は伝わりません。それに比べ「通勤快足」は、サラリーマン用の靴下であることや、防菌・防臭効果のあるという特長がネーミングから伝わってきます。ロゴタイプのデザインも面白く、ターゲットにうまく届きました。日本ネーミング協会会長 岩永嘉弘さんによると、愛される・売れるネーミングのポイントは「音になったときに、口ずさめるような親しみやすさ」だそうです。
 ネーミングによって、モチベーションを高める効果も確認されています。有名なところでは、箱根駅伝で青山学院大学が立てる作戦名です。監督が選手たちと話し合いながら考えることで選手がより主体的に練習に参加し力を発揮しやすくなるそうです。学校でも、学年・学級目標や体験学習のスローガンなどは子ども達の思いや教師の願いを入れて工夫してつくっています。学級活動でも新聞係を〇〇新聞社としたり、学級レクをスペシャルレクとしたりする方が子ども達の意欲も高まります。
 子ども達のネーミングセンスを磨き、思いやイメージをいっそう膨らませたり、活動に対する積極的な参加につなげたりしたいものです。ご家庭でもちょっとしたネーミングの工夫で、子どもがいやいや取り組んでいたもののハードルが少し下がるかもしれません。「早起き大作戦」と名付ければ「なんか起きれそう」、「今週は、お手伝いスペシャルチャレンジウイークです」と言えば「なんだか面白そう」と感じてくれるかも。試してみませんか。

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