令和7年度 2月号

柱馬を水辺に連れていく

 校長 今野 敏晴

 今年の干支の午年にちなんで、馬にまつわる開運スポットとして、小雀バス停横の「馬頭観音」がタウンニュース(戸塚・泉区版)で紹介されていました。東海道の宿場町として栄えた戸塚区は、歴史的に見ても非常に馬とは関連が深いそうです。旧東海道や古道には「馬頭観音」と呼ばれる馬への感謝・供養を込めた石仏が安置され、馬が大切にされてきた証として残されています。戸塚区だけでも40個以上あるそうですが、1851年につくられた小雀の馬頭観音は、「ここまではっきりした馬の絵はなかなか見られない」ものだそうです。付近の村に福が来ることを願う「福村馬頭観世音」という文言も記されていて「ぜひ新年に訪れてほしい」と書かれていました。子ども達にも朝会で紹介しました。
 人にとって身近であった馬にまつわることわざや故事がたくさんあります。例えば「馬の耳に念仏」「馬子にも衣装」「老いたる馬は道を忘れず」「人間万事塞翁が馬」などはよく知られています。
教育の世界で時々使われることわざに「馬を水辺に連れていくことはできても水を飲ませることはできない」というものがあります。「周りの人がいろいろな機会を与えて支援をすることはできても、最終的にはそれを実行するかどうかは本人のやる気次第である」という意味です。人をやる気にさせることの難しさを示唆している奥深い言葉です。学校では、「本人のやる気次第」だからと本人任せにするのではなく、やる気(主体性)をいかに引き出すかということに重きをおいて取り組んでいます。
 登山に例えれば、目指す山(目標)を決め、山登りの仕方や登頂ルートを教えたり、選ばせたりしながら山頂にたどりつき、達成感に満ちた味わいで水を飲ませます。「おいしい!また別の山(高まった目標)に登ぼりたい。」と思わせるのが理想です。その際、教職員は伴走者の役目を担います。一人ひとりの子ども達が「水を飲みたく」なるように、目標を決めて振り返らせたり、自己選択・自己決定を大切にしたり、友達と対話しながら学習する機会を多く確保したり、個に応じた課題を与えたりなどに取り組んでいます。また、友達との競い合いや励まし合いは、おのずとやる気を高める要因ともなります。現在進めている一人一台端末によるICT教育も、一人ひとりに応じた学習内容の提供や、やる気を高めるための手段の一つとなります。子ども達が「知りたい」「調べたい」「できるようになりたい」と思えるように工夫することが授業の原点です。簡単なことではありませんが、小雀小学校では、教材研究や授業の準備、子ども達の見取りを大切にして、学習意欲を高め、授業を進めていきます。
 ご家庭においても、「勉強させようと」と教材を買い与えたり、「将来役に立つから」と習い事をさせたりしてもなかなか成果がでないと悩まれることもあるのではないでしょうか。私はこの「ことわざ」のポイントは、「相手を尊重すること」だと思っています。本人の興味のありそうな、できそうなものを見つける、一緒にやってみる、手本を示す、自分で選ばせる、少しの進歩でも褒めるなど、お子さんとのいろいろな関わり方を考えるきっかけにしてく
れればと思います。お子さんのやる気を上手に引き出せるよう、学校と連携を図りながら取り組んでまいりましょう。

 

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