令和7年度 学校だより 10月号
令和7年度 10月号
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のび太メソッド
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9月3日のドラえもんの誕生日にちなんで、登場人物「のび太」のいいところ探しを朝会で行いました。参考にしたのは、横山泰行氏が書いた「『のび太』という生き方」という本です。「のび太」の性格や言動、アニメの中の役割を学問的な「ドラえもん学」として分析し、のび太の行動や考え方から導きだした上手に生きるためのヒントが紹介されています。
勉強やスポーツが苦手で、困ったことがあればすぐにドラえもんに泣きつく「何もかもうまくいっていない印象の『ダメのび太』」ですが、次のようなよさもあるのではと子ども達に伝えました。
特筆すべきは、のび太の「優しさ」です。仲のいい友達だけでなく、ときには敵対するような人にまで、生来の優しさを発揮します。その優しさは、彼の生活の潤滑油のような働きをしており、のび太に楽しく生きるエネルギーを与え続けているのです。どんな相手に対しても心の底から憎んだり、存在そのものを全否定したりするような言動をとりません。また、ジャイアンの暴力やスネ夫の傲慢な態度の背景に見え隠れする優しさを的確に読み取る素晴らしい感性までも身に付けています。のび太が注ぐ優しさは、人だけに向けられるものではなく、動物や植物、竜といった架空の動物にも優しさをみせます。みんなの幸せを願う「のび太の優しさ」が、グループの結束をより強固なものにしています。
のび太は、困ったことがあれば、よくドラえもんに頼って秘密道具を出してもらいます。人に頼るのは、一見するとダメなようにも思えますが、実はとても大切なことです。のび太は、自分自身を客観的かつ総合的に見る力、いわゆるメタ認知が得意で、自分の能力をかなり正確に把握しています。そして、自分の長所や欠点を、ドラえもんだけでなく、周りの友達にまでかなり正直に伝えています。隠したり、かっこつけたりするということをしません。だからこそ、好感がもたれたり、助けてもらえたりするチャンスに恵まれます。
その他にも「好奇心旺盛ですぐに行動する」「失敗してもくよくよしない」等を伝えました。
本校でも特に、「思いやり」や「相談体制」については、日頃より力を入れて取り組んでいるところです。朝の一人一台端末からの健康観察では、自分の身体や心の状態や心配ごとなどを選択したり書き込んだりできるなどSOSが発信しやすい機能があり、子どもたちの状況把握に繋がっています。
著者は、「子どもにとって最高の秘密道具はお母さんです。」と記しています。もう少し広げれば、「信頼して相談できる相手」と捉えることができます。秘密道具は、のび太の長所や優しさを引き出すツールであり、のび太がしようとすることを後押ししているにすぎません。最終的に夢を叶えるのは、のび太の行動と努力です。ドラえもんは、のび太の自立の手助けのために未来からやってきたわけですから、非常識なリクエストや自分勝手な願いには、「君がもっとしっかりすればいいんだよ。」
「君が本気でやらなきゃ、どんな道具も意味がないんだ!」と意外と冷静に対応しています。我々周囲の大人も、その子がその子らしく成長できるよう、正しく状況を判断し、適切なアドバイスや、困難を打破するのにぴったりな後押しを提供していきたいものです。
10月号の詳細は、すぐーるで配信しております。
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