令和6年度 10月号

人間は忘れる動物~忘却曲線~

 校長 今野 敏晴

 10月15日から後期が始まります。後期初めに、前期の進歩の状況や努力の成果、後期に向けた課題等をお話しし、家庭の理解や協力を得るために個人面談を設けています。本校では、学力向上の取組の一つとして、平成30年度より「伝え合うことで、自分の考えを広げたり深めたりする子」を目指して国語科の研究を続けています。国語科の授業を主として扱いながら教員の授業力向上に努めるとともに、学ぶ目的を明確にして子どもたちの主体性を向上させたいと考えています。9月27日には、外部講師を呼んで授業研究会を行う予定です。また、漢字や計算、音読など基礎学力の定着は家庭との連携を大切にしています。学習予定を子どもたちや家庭と共有し、見通しをもたせたり、家庭と連携したりするため、ほとんどのクラスで、週末に、宿題の欄がある「次の週の学習予定」を配付するようにしています。
 さて、ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、意味のない三つのアルファベットの羅列をたくさん覚え、その記憶がどのくらいのスピードで忘れるかを実験して調べました。その結果をグラフ化したものが「エビングハウスの忘却曲線」です。それによると「人は20分後には、覚えたことの42%、1時間後に56%、1日後に74%を忘れてしまう」ことになります。まさに「人間は忘れる動物である」ということを裏付ける結果です。覚えたことの多くは時間の経過とともに忘れてしまいますが、同時に定期的に復習すれば、記憶はよみがえり記憶の定着につながることも教えてくれています。学校で学習したことを完全に忘れないうちに、そして、簡単に記憶がよみがえるうちに復習する、家庭学習がいかに大切かということにつながると思います。また、家庭学習をすると学習したことを忘れずに身に付けられるだけでなく、「家庭での学習習慣が身に付く、自ら学ぼうとする態度や学習に対する自信が付く、がまん強さ、根気、集中力が身に付く、家族が触れ合う機会となる」などの効果が期待できます。家庭学習を進めるポイントとしては次のようなことが考えられます。
家庭学習のポイント
○毎日一定時間、決まった場所で学習に取り組せる。
○子どもが集中できるよう、テレビを消したり、机の上を片づけたりする。
○保護者が、学習の様子を見届け、がんばりを認め励ます。
○学校での学習内容に関心をもち、どんなことを学習したのか話題にする。
 家庭学習の充実や生活習慣の確立については、学校だけでなく、ご家庭の協力が重要です。今後も学力向上に向けて学校と家庭が一体となった取組となるようご理解とご協力をお願いいたします。
気になることがございましたら個人面談の話題にしていただければと思います。

 10月号の詳細は、すぐーるで配信しております。