令和6年度 7月号

バタフライエフェクト 

 校長 今野 敏晴

 横浜市では、市内の小中学生の国際平和への意識を高めるため、平成8年度より「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」を開催しています。 毎年、約4万人の児童生徒が参加し、「国際平和のために、自分がやりたいこと」をテーマに、児童生徒ならではのさまざまな視点から、国際平和に対する熱い思いを発信します。本校では、6月6日に、体育館で校内審査会を開きました。6年生が、国語の学習を通して、全員が取り組んできた意見文の中から、学年代表6名を選びました。その6名が、5・6年生全員の前で、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)に基づき、平和で公正な社会、限りある資源、不平等の削減、環境問題、飢餓、食糧問題、持続可能なまちづくりなどの内容でスピーチを披露しました。6名の中から学校代表を選び、選ばれた児童は、25日に戸塚公会堂で行われた戸塚区審査会に参加しました。
 さて、今回の取組は、国際平和やSDGsを「自分にできる身近な行動に置き換えることで、自分事として捉える」ということですが、本当に自分一人の行動で世界が変わるのか?と誰もが一度は考えるのではないでしょうか。自分一人では、微力過ぎて難しいのではないかと。
 国際平和やSDGsの根底にあるのは、バタフライエフェクトという考え方ではないかと私は考えています。主に自然科学の分野で使われる言葉のようですが、最初の小さな違いが長期的に見ると大きな差になる可能性があるという意味です。由来は、1972年に気象学者のエドワード・ローレンツさんが行った講演のタイトル『ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすか?』から来ているそうです。「蝶の羽ばたきが、様々なものに影響を与え、嵐を起こすほどの可能性・力を秘めている。」という考え方は、私たちに行動する力を与えてくれます。
 SDGsという言葉が独り歩きして表面的な活動も増えており、SDGsが目指すものの本質を社会が見失いつつあるように感じるときがあります。国連が示した「持続可能な開発のための2030アジェンダ(計画表)」には、「これは、人々の、人々による、人々のためのアジェンダであり、そのことこそが、このアジェンダを成功に導くと信じる」と記されています。将来世代のために何を残せるかは一人ひとりの考え方と行動にかかっています。「個人が自分事として捉え自ら行動することがひいては、国、企業、自治体、市民団体等をも動かし社会を変えること」を本質とすれば、スピーチコンテストの取組や生活科・総合的な学習、特別活動等において、真剣に社会課題に向き合い、何が解決に必要なのかを考えて、行動し続ける子どもたちの姿は、とても貴重です。何事も小さな一歩からと一生懸命羽ばたく「蝶」たちの姿が、そこにはあると考え、支え、励まし一緒に行動できる大人でありたいものです。
 日常生活や学校での学習から、子どもたちは、将来のためによりよく豊かに生活したいと考えます。そんな子どもたちは、学校や地域、家庭での「ピースメッセンジャー」であり「SDGsリーダー」です。子どもたちの話に耳を傾け、家庭や地域でできる持続可能な取組について、子どもたちと一緒に考え、できるところから協力をお願いします。

 7月号の詳細は、すぐーるで配信しております。