令和7年度 12月号

柱に付いた釘の穴の傷

 校長 今野 敏晴

 本校では、10月29日から11月28日まで読書月間の取組を行いました。キラキラブックパートナー(図書ボラ)による絵本コンサートや図書委員会による読書クイズ、読書ビンゴなどを通して、本に親しむ機会を設けました。毎年子ども達が楽しみにしている絵本コンサートは、残念ながら今年度で最後となりましたが、体育館に大きく映し出された絵本の挿絵を見ながらの読み聞かせやピアノ演奏などを子ども達は熱心に楽しそうに聞いていました。長年に渡り読書推進活動へのご協力ありがとうございました。
 さて、私も読書ビンゴにチャレンジしました。その中の一冊が、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンの伝記です。「柱に付いた釘の穴の傷」という話が心に残りましたので紹介します。
 「ワシントンは、小さい頃、元気で活発でしたが、いたずらが多く、いろいろな悪さをする子どもだったので、父親は、大変困っていました。そこで、ワシントンに、『悪いことをしたら、台所の太い柱に釘を打ち込む。もしよいことをしたら、釘を1本抜く。』という話をして、ワシントンが反省するのを待ちました。しかし、乱暴やいたずらはなかなか止まらず、柱は釘だらけになりました。時がたち、柱いっぱいの釘を見たワシントンは、自分の行動が周囲の人々にどれほどの影響を与えているかを痛感します。それからというもの、持ち前の行動力を発揮し、人助けをしたり、よいことを進んで行ったりすることができるようになりました。それに伴い柱の釘は少しずつ減っていきます。そして、最後の1本を抜いた時、ワシントンに『おまえは、ほんとうによくがんばった。立派に成長したよ。』と言いました。そしてさらに、『柱には釘はなくなった。けれども、釘の穴は直すことができない。釘が打たれた後の穴は、そのまま残るんだ。いくら謝っても、よいことを重ねても、一度傷つけた相手の心の傷はついたままなんだ。だから決して人を傷つけてはいけない。』と続けたのです。ワシントンは父親の言葉を聞き、心から反省し、『釘は抜けばよいのではなく』、『釘は打ち込んではならない』という考えのもと、精力的に仕事に励んだと言われています。」
 12月は、人権週間の取組を行います。「安心して自分らしさを発揮できる学級づくり」を目指して、講師を招いて人権集会を行ったり、各クラスで「自分らしさ」について考え、それを発揮する取組を行ったりします。また、いじめについてもアンケート調査を行い、子ども達のSOSのキャッチに努めます。人権とは、一人ひとりが生まれた時からもっている「自分らしく生きる権利」のことです。誤解や自分勝手なものの見方で、人のことを決めつけたり、傷つけたりすることは許されません。自分や友達のよいところを探し認め合うことやいじめについて考える機会を設けます。
 子ども達は、「いたずら」や「いじわる」など小さな「い」をついやってしまいます。学校では、小さな「い」のうちに、相手が嫌がっていることを理解してもらい、人間関係をよりよいものにするために「いじめの積極的認知」を行い、見守りを続けています。小さな「い」のうちに手を打ち、芽を摘み取り、子ども達が悲しい思いや辛い思いで「心の傷」にならないよう努めてまいります。学校だけでは行き届かない、気付かないことがありますので、引き続き多くの眼で子ども達の成長を見守れますよう保護者や地域の皆様のお力添えをお願いします。

 12月号の詳細は、すぐーるで配信しております。