小さな『ありがとう』が育てる大きな心

 梅の木にたくさんの実がなっています。梅雨の季節が近いことを感じます。

 先日行った学校説明会で、副校長の代読でしたが「自己有用感」について伝えさえていただきました。子どもたちの成長を考えるとき「自己肯定感」「自尊感情」「自己有用感」という言葉がよく使われています。これらは似ているようで、それぞれ少し意味が異なります。
 自己有用感とは、「自分の存在や行動が誰かの力になっている」と感じられる気持ちです。日々の係活動や友達とのやりとりの中で、ちょっとした働きかけが誰かに喜ばれたり感謝されたりする経験を通して育まれます。
 自尊感情とは、「自分には価値がある」と思える気持ちです。失敗したり、うまくいかなかったりしても、自分を否定しすぎず、「それでも自分にはよさがある」と思える力です。
さらに自己肯定感とは、できる・できないに関わらず、「今の自分をそのまま受け入れられる感覚」です。子どもたちが安心して挑戦したり、人と関わったりするための土台となるものです。
 この三つは、最も広い土台として自己肯定感があり、その上に自尊感情が育ち、さらに他者との関わりの中で自己有用感が育まれていくという関係にあると考えられます。特に小学校では、「誰かの役に立てた」という実感を積み重ねることが、自分の価値を感じ、さらには自分自身を受け入れる力へとつながっていきます。係活動やたてわり活動やペア学年による異学年交流、友達同士で学び合う学習などを通して、「自分にもできることがある」「誰かの役に立てた」という経験を積み重ねていきます。
 一方で、「役に立てたときだけ価値がある」と感じてしまうことがないよう、失敗したときや思うようにいかないときにも、「あなたの存在そのものが大切である」という安心感を子どもたちに伝えることも大切です。ご家庭でも、手伝いや家族としての仕事(役割)を通して活躍の場をつくり、子どもたちのがんばりに「ありがとう」「助かるよ」などと声をかけていただいたり、結果だけでなく努力や過程を認めていただいたりすることが、子どもたちの心の成長につながると思います。

 学校と家庭そして地域が、ともに子どもたちを支えながら、「自分は大切な存在である」と感じられる子どもを育てていきたいと思います。引き続き、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

学校だより 6月号