ごあいさつ

校長あいさつ     

                                                                     

 

                

  

意志あるところに道はある

 

令和2年4月

校長 永瀬 哲

 

開校から12年目を迎えて

 4月7日、例年よりも大幅に規模を縮小したかたちで入学式を挙行しました。世界的な感染症の流行のためにやむを得ないとは言え、内心複雑な思いでこの日を迎えました。しかし、生徒会事務局長の「歓迎のことば」を聞き、中学、高校それぞれの「新入生誓いのことば」を聞いて、それが杞憂に過ぎないと気がついたのです。三人ともしっかりと未来を見据え、自分自身の言葉で前向きな思いを伝えていたのが印象に残っています。在校生はもちろん、これから本校での学校生活を送ろうとしている新入生にもサイエンス生としての強い意志が感じ取れました。

 開校から12年目を迎えた高等学校の1年次生では、附属中学校からの入学生と高校からの入学生が初めて一緒に学ぶこととなりました。ここに至るまでの経緯や経験は異なっていたとしても、サイエンス生としてより高みを目指すという決意は共通しています。意識の高い生徒同士が互いに切磋琢磨することで、これまで本校が目指してきた「融合」をまた一歩前進させることになるだろうという期待をしています。

 本校の歴史を演劇にたとえれば、平成29年の附属中学校開校は第2幕の始まりでした。3年間を経た今年は第2幕のミッドポイントとも言えるタイミングかもしれません。物語であれば大きな転換点になる場面です。学校ではそれほど急激な変化は起こりませんが、本校の新たな歴史を刻むきっかけになる年だと考えています。これからのサイエンス生の活躍にご注目ください。

 

スーパーサイエンスハイスクール指定校として

 本校は開校2年目の平成22年度からスーパーサイエンスハイスクール(以下SSH)の指定を受け、昨年まで2期10年にわたって様々な取組を進めてまいりました。そして、このたび、第3期の指定も受けることができました。世界に通用する科学技術人材の育成を使命とする本校にとって、SSHであることは特色ある教育活動を進めるうえで重要な要素の一つです。そのため、再指定の申請をするにあたっては、本校教職員の相当な尽力がありました。さらに、浅島誠常任スーパーアドバイザー、小島謙一特別科学技術顧問をはじめ、大学、研究機関、企業等の多くの関係者の皆様から貴重なご助言もいただきました。学校外にいらっしゃる多くの強力な“応援団”の存在が、本校の教育活動を支えてくださっていると言っても過言ではありません。

 令和2年度からも引き続き先進的な理数教育の充実に向けて取り組んでいくこととなりました。そ

の中でも課題探究型の学習である学校設定教科「サイエンスリテラシー」は、これからも本校のカリキュラムにおける“核”です。開校当初から設置している教科ですが、知識・技能、思考力・判断力・表現力、及び主体的に学ぶ態度をバランスよく育成することを念頭に置いて毎年改善を重ねています。その他にも、本校の生徒が小・中学生を対象に実験や実習を行うサイエンス教室、1年次生対象のサタデーサイエンス、2年次生全員が参加するマレーシア研修及び国際交流プログラム等、独自の取組を継続します。それと同時に、社会や時代の変化にあった新たな実践を推進します。

 本校ではこれまでサイエンスの力でグローバルに活躍するサイエンスエリートの育成に力を注いできました。その理念は今後も変わることはありません。本校で掲げる理念は高邁なものですが、決して実現不可能なものではないと思っています。なぜなら、卒業生の多くは本校で学んだことが卒業後の進路に生かされていると、調査からも明らかになっているからです。時間はかかりますが、サイエンスエリートの育成は着実に進んでいると考えています。

 

意志あるところに道はある

 「Where there’s a will, there’s a way.」これはアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉だという説もありますが、真偽は不明です。ただ、古くから言われてきた言葉であることは確かなようです。日本語では「意志あるところに道はある」と解釈されています。短い表現の中に、人生をいかに生きるべきかということに対する答えがはっきり示されていると感じます。

 人生の長い短いにかかわらず、また程度の差こそあれ、前に進むことを思わずためらう瞬間は誰にでもあると思います。そういう時、明確な目標を立ててそれを成し遂げようと努力することで道が開けてくるものです。時には自分の思い通りにならないこともあるかもしれません。でも、一歩前に足を踏み出す勇気が新たな局面を生み出してくれます。前進すれば「越えられない山はない」のです。

 今春卒業した9期生は87名が国公立大学に合格しています。進学先を見てみると、北は北海道から南は九州まで全国津々浦々です。また、系統別に見ると、理学・工学系統以外にも人文・社会科学系統への進学者がいます。今年は感染症の影響で試験を中止した大学もありましたが、例年、サイエンス生の多くは国公立大学の後期日程試験までを視野に入れて受験に臨み、結果を残してきました。いずれも主体的に自分の道を切り開こうとする態度の表れだと考えています。

 もちろんこれは、恵まれた環境の中でもそれに甘んじず、一人ひとりの生徒が努力をした結果であることは言うまでもありません。高い志をもち、最後まであきらめずに取り組み、「意志あるところに道はある」を体現している生徒の多いことも本校らしさだと思います。

 横浜サイエンスフロンティア高等学校では、自分自身を成長させ、社会の発展に貢献しようという強い意欲の持ち主を育て、応援します。本校で未来の「サイエンスエリート」を目指してみませんか。