本の紹介


学校図書館にある本を紹介します。

 

(2020/5/15)『山月記』中島敦/著 

昭和17年(1942年)の作品。著者は高等学校教員として勤務しながら、作家活動を行っていました。持病の喘息が原因で、思うように執筆に集中できないまま他界します。

 

改行も少なく、難解な文章ですが、鬼気迫る作品です。自分は優秀な人間であるはずなのに、誰も理解してくれない。そして、周囲を納得させるような結果も出せていない。男は、とうとう人間ではないものに変わってしまうのです。

「青空文庫」(無料サイト) https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/card624.html

 

 

(2020/4/30)『夢十夜』夏目漱石/著

明治41年(1908年)の作品。漱石が見た夢の話です。第一夜から第十夜までの10編のショートストーリーです。100年以上前の作品とは思えないくらい読みやすい本です。

 

第一夜はロマンチック、第二夜~第三夜は怖い話、第四夜~第五夜は不思議で悲しい話、第六夜は時代の話、第七夜は後悔の話、第八夜はファンタジー、第九夜はかわいそうな話、第十夜は喜劇と悲劇が混ざった話。おすすめは、第七夜です。ほんとうに夢を見ているような臨場感があります。

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(2020/4/20)『ブロードキャスト』湊かなえ/著

 2018年刊行。読んだ後さわやかな気持ちになれるイチ押しの本です。

 

―― 町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していたが、3年生の最後の大会、わずかの差で出場を逃してしまう。その後、陸上の名門校、青海学院高校に入学した圭祐だったが、ある理由から陸上部に入ることを諦め、同じ中学出身の正也から誘われてなんとなく放送部に入部することに。―― やりたいことが、自分に向いているかどうかは関係ない。おもしろいと思ったら、挑戦すればいい。

 WEBマガジン「カドブン」にて無料連載中(5月10日まで)

 KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」https://kadobun.jp/serialstory/broadcast/

 

 

(2020/4/10) 『赤いろうそくと人魚』小川未明/著

 1921年出版。戦前の児童文学の最高傑作です。前半はロマンチックな内容ですが、後半は残酷なストーリー展開になっていきます。短編小説なので、短時間で読むことができます。

 

 暗く冷たい海にすむ美しい人魚は思いました。「人間は、この世界の中で、いちばんやさしいものだと聞いている。せめて自分の子どもだけは、陸の上に生み落とそう」人魚の娘は、やさしい人間の夫婦に育てられました。しかし、やさしい夫婦は「人魚は不吉なもの。いまのうちに手もとから離さないと、きっと悪いことがある」という話をきかされてしまいます。

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(2020/4/9)『魔術』芥川龍之介/著

大正時代に書かれた作品です。少年少女向けの童話ですが、非常に芸術性の高い作品です。

 

雨が降る寂しい晩のこと。一人の男が、古い洋館をたずねました。その洋館の主人は、政治活動家であるとともに、魔術師でもありました。男は、魔術を見せてもらおうとやってきたのです。

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