『一瞬一瞬の時のきらめきの中で、もう二度とないあの記憶が心によみがえる』

 

 新型コロナウイルスの脅威にさらされながら、当たり前の日常が困難となった時代に、全てのものは変わり続けます。でも、決して悲観すべきことではありません。未来は『一期一会』(今の出会い、今日の一日を大切にすること)によって、変えることができるのだから。

  出会った頃の君たちは、幼さゆえに自信が持てず、むき出しの感情をぶつけてきては、激しく爪を立てることもありました。自分を傷つけては、寂しそうに笑っている。わがままともいえるが、素直ともいえる。大人はどこかの段階で折り合いをつけようとします。聞き分けがいいともいえるし、諦めが早いともいえる。感情は表裏一体です。受け止め方で良くも悪くも変化します。時間を共有することで、互いを理解することで、共通の言語が生まれ、互いが愛おしくなるものです。君たちとの出会いによってそのように考えるようになりました。私自身変われたのです。

 月日の流れは早いものです。三年間通い続けた寛政中学校とも今日でお別れです。64名のみなさん。ご卒業おめでとうございます。

 三年前の4月、春の香りに包まれながら始まった中学校生活。たくさんの友達、たくさんの出会い、たくさんの喜び、そして、ときには悲しみも。人は人の中でしか生きていけません。今、その言葉を実感しているのではないでしょうか。中学生という多感な時期の皆さんんと共に学び、様々なことを共有できたことに職員一同喜びを感じています。

 明日からは、それぞれが選んだ道を歩いていきます。人は、レールのない道にレールを一本一本敷きつめながら人生という名の列車を走らせています。緩やかな坂道、険しい山や深い谷。これから嬉しいことや楽しいことばかりではなく、多くの困難に出会うことでしょう。寛政中学校で学んだことを忘れず、強くたくましく自分の人生を刻んでいってください。幸多き人生を。

 

保護者の皆様へ

 三年間の長きにわたり、さまざまな場面でご理解ご協力いただきましてありがとうございました。三年職員一同深く感謝いたします。