学校長あいさつ

  

 本校は、昭和6年、芦穂崎尋常小学校として誕生し、昨年度創立90周年を祝いました。現在学区は、西の端のJR鶴見駅から鶴見川沿いにまで広がっており、学区の半分が川に囲まれています。校歌にもあるように、開校当時の学校周辺は芦の穂が風にそよぎ、満潮になると校庭まで海水が入ってきたと伝えられています。

 昭和20年の空襲では校舎が焼失し、豊岡小学校で学んでいた時期もありましたが、地域の皆様の熱い思いで芦穂崎小学校が再建されました。そして、昭和28年、現在の地名を生かした鶴見小学校と改名されました。

 学区は、鶴見区総合庁舎、鶴見警察署、鶴見消防署他の公共施設や京急鶴見駅、金融機関が集中しており、駅周辺には大きな商業施設、飲食店などが立ち並び、鶴見区の中心地として発展しています。また、国道15号線に近いため鶴見川沿いには工場が多くありましたが、近年の工場移転によって、跡地に大型マンションが建設され、本校の児童数増加につながっています。

 一方で、旧東海道が学区の中心を通っており、鶴見川橋(旧鶴見橋)を始め、昔を伝える物や伝統行事が残されています。中でも、横浜市内で最も古い伝統行事と言われる「田祭り」には本校の子どもたちも参加して演じ、地域の皆様と共に行事を守り伝えています。まちの一員としての子どもの育成には力を入れており、公共心や規範意識を身につけ、友だちや地域の人々との望ましいかかわりをもてる子どもの姿を追究しています。特に、あいさつのできる子どもを育成するために、子どもたちのあいさつ運動も行っています。

 また、本校は、外国籍の子どもや外国につながる子どもの在籍が多い学校です。国際教室が開設され、子どもたちは、市や区役所を中心とした地域の支援も受けながら学習しています。幼稚園・保育園や隣接する鶴見中学校との連携も盛んで、異なる文化や異年齢の子どもたちが互いのよさに気付き、共に学び合う教育を推進しています。

 学校サポーターとしてのボランティア活動では、環境整備、読書活動、学習・行事支援等の活動が行われており、子どもたちの育成のために保護者・地域の皆様が寄せてくださる熱い思いに学校教育が支えられています。

 このような環境を生かし、様々な「人・もの・こと」とかかわって自分を見つめ、自分や自分の周りにいる人を大切にしながら、地域の中でたくましく生きる子どもの育成に努めてまいります。

 

                             校長 田中 昌彦