令和8年 学校だより8・9月号
お手伝いが育む心と力
校長
昨年度の夏休み明けの学校だよりでは、「津波」について書きました。昨年7月に津波注意報が発令されたことがきっかけでした。今年も各地で地震や豪雨などの自然災害が発生しています。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
また、この夏も水の事故や交通事故などにより、子どもたちが尊い命を失ったり、大きなけがを負ったりする痛ましい出来事がありました。改めて、命の大切さと安全について考えさせられる夏となりました。
夏休み前の朝会で、私は子どもたちに「あいうえお」のお願いをしました。「あんぜん」「いのちをまもる」「(安全かどうか)うんと考える」。そうすることで、「えがお」で過ごしてほしいという願いを込めたものです。命を守る取組に終わりはありません。これからも学校・家庭・地域が力を合わせながら、子どもたちの安全を見守ってまいりたいと思います。
さて、「あいうえお」の最後の「お」は、「お手伝い」です。以前、子どもたちの進路に関する研修で、「お手伝い」は将来の就労につながる大変重要な営みであると学びました。「お手伝い」とは、単なる手助けではなく、家族の一員として担う仕事です。無理のない範囲で責任をもって取り組むことが大切だとされています。
国立青少年教育振興機構の調査によると、子どもの頃に家事手伝いを多く経験した人ほど、自尊感情や規範意識、人間関係能力、職業意識が高い傾向にあることが報告されています。特に注目したいのは、手伝いの経験が多い人ほど、「将来、社会や人のためになる仕事をしたい」という意識が高いという点です。お手伝いをする子どもは、家族の役に立つ喜びを知り、自分に任された仕事をやり遂げる経験を積み重ねています。この経験は、学校だより6月号でお伝えした「自己有用感」を育むことにも深くつながっています。「自分は誰かの役に立っている」「必要とされている」と実感できることは、子どもたちの健やかな成長の土台になるからです。
夏休み中に家庭での役割を決めて取り組んだご家庭もあったことと思いますが、これからでも、お子さんと相談しながら「家庭での役割」を決めてみてはいかがでしょうか。そして、仕事を果たしたときには、ぜひ「ありがとう」の一言をかけていただければと思います。つい「自分で決めたことでしょう」と言いたくなることもありますが、「やってくれてありがとう」という気持ちを伝えることが、子どもの意欲や自信につながるのではないでしょうか。小さな成功体験の積み重ねが、子どもたちの自己有用感を育み、自立へとつながっていくのだと考えています。
40日間の夏休みを終え、子どもたちは心身ともに大きく成長したことと思います。学校でも、一人一人が「できた」「役に立てた」「認められた」と実感できる成功体験を積み重ねられるよう、教育活動を進めてまいります。今後とも本校の教育活動へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


