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【2月号巻頭言】

昨日の自分、ナイス!

校長 角皆 裕文

「全然覚えられない・・ダメだ!あきらめよう!おやすみっ!!」
 明日はテストの本番だが、完全にマスターしていないまま仕方なく眠りにつく。翌日、自信のないまま臨んだテストで・・なんと!昨日あれだけ苦戦していた問題が、スラスラ解けるではないか!
 とまあ、こんなにうまくはいかないまでも、みなさんも近い経験をしたことがあるかもしれません。

「寝ている間に上手くなるんだよ」
 私ごとで恐縮ですが、子どもの頃、父に言われた言葉を思い出します。父がたしなんでいたテニスを引き合いに出した話だったと記憶していますが、青年期になると私はそれを自覚するようになり、「定着を期待して寝る」ということを意図的に行うこともありました。もちろんうまくいく時ばかりではありませんが、「どうも寝ている間に脳が何かやっているらしい」ということを少なからず実感したのでしょう。
 楽器の練習などでもよくあります。運指の難しいフレーズを何度も練習する。明日の自分を信じてひたすら積み重ねる。完成形にはまだ辿り着けないが・・「よし、寝よう!」
 翌日リラックスして挑むと・・指がスラスラ動く!
 弾けるようになった今の自分は「昨日頑張った自分」があってこそ。だから私は昨日頑張ってくれた自分に対して思わずこう言ってしまうのです。
 「昨日の自分、ナイス!」

 少し前になりますが、発達脳科学を専門とした小児科医である成田奈緒子氏の講演を聞く機会がありました。脳の育ちに対する睡眠の役割について興味深い話を聞かせてもらいました。脳の育ち方には順番があり、0~5歳までに育つのが生きていくのに最低限必要な機能を司る「からだの脳」。その後に育つのが知識を蓄えたり、手指の動きを発達さたりする「おりこうさん脳」。そして、10歳以降に育ってくるのが、感情のコントロールや論理的思考を司る「こころの脳」。これらがゆっくり順番に育っていくことが重要で、その鍵を握っているのが「睡眠」だということでした。
 氏が推奨する理想の睡眠時間は、小学生で10時間、中高生は9時間、そして大人でも8時間。「日が沈んだら寝て、昇ったら起きる」が理想で、スクリーンタイムが就寝時刻を遅らせるぐらいなら、「朝ゲーム」をお勧めする。とのことでした。現代の家庭において子どもを10時間寝かせようとすれば、簡単な事ではないかもしれませんが、「3,4回目のレム睡眠が現れる入眠後5時間以降が『おりこうさん脳』と『こころの脳』をつくるゴールデンタイム」と聞けば、なんとか実現させたいと思うものです。
 私達大人もついつい夜更かしをしてしまいますが、寝ている時間の脳の働きをもっと意識すれば、まだまだ成長できるのでは?と考えさせられました。中面に本校児童についての関連データを紹介していますので、ぜひお目通しください。

 

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