5月号 4月号

【5月号巻頭言】

AIは学びのパートナーになり得るか

校長 角皆 裕文

とある学校の校長室にて-------

【A教諭】校長!AIに興味ありますか?文科省は「AIを学びのパートナーに」って真面目に言い始めています。教室で子ども達がAIを使うことについてどう考えていますか!
【校長】いやぁ、正直気が進まないなぁ。だって、子ども達はすぐに答えを訊いてしまうだろ?自分の頭で考えない子が育つのは目に見えてるじゃないか。
【A】でも、すでに子ども達の中には家でAIを使って学習している子もいますよ。
【校】なに!?すでにそんなことになってるのか!それはまずいな・・。宿題の出し方も考えないといけないな・・。
【A】「こちらが与えた問いに対して答えてきなさい。」なんて宿題はまず意味がないでしょうね。
【校】確かに・・。よし!じゃあ「おうちで学習するときにはAIは使いません」って約束をつくろうか!
【A】そっち!?
【校】あいや、冗談。

【A】しっかりしてくださいよ!校長!だから宿題に限らず「与えられた問いに答えるだけの学び」は意味がなくなる、とも言われてますよ。
【校】へー。
【A】へー。じゃないですよ、校長自身がいつも言ってる事じゃないですか!「自ら問いを立てる子に」って!
【校】確かにそうでした・・。でもAさんの言う通り、家ですでに使っているのに学校では使わせないっていうのも変だよな・・
【A】そうですよ。これから学校は「AIを使ってどう学ぶべきか」を教える場になるんですよ!校長!
【校】うーん。でもAIに何でも訊けるから、知識は大切じゃなくなっちゃうってことかな?
【A】そんなことは何年も前から言われてますよ。これからは「何を知っているか」よりも、それを「どう使うか」が大切だって。
【校】するってーと、「知識」の部分はAIに頼ってもいいってことか。
【A】まぁまぁいい線行ってますね!校長!これからの子ども達は学習活動の中で、どの部分をAIに委ねて、どの部分で自らの知能をはたらかせるのか、選べるようにならなくてはならないと思います。
【校】どえらいレベル高いな!「“学ぶ”とはどういうことか」その本質にいよいよ迫らなくてはならないのか。わくわくするな。
【A】そうです。

【校】ところで、大人はいいのか?AIに頼れるだけ頼って。
【A】(かぶせるように)いけないと思います。大人だってこれからは、AIに外注してよいものと、そうでないものを分別する必要があると思います。
【校】なるほど。より本質的なところでは自分の頭で考え、自分の手を動かす・・と。そしてそれが・・
校・【A】(同時に)学びになるわけだ!
【校】Aさん、ありがとう。おかげで頭の中が整理できたよ。そうかそうか。大人だって学び続けなくてはね。
【A】ってゆーか、校長いつも言ってるじゃないですか!「学び続ける子を育てたい」って! 
【校】確かに!つまりAIとの協働学習を成立させようとすれば、おのずと「自ら問いを立て、学び続ける子」が育つ、というわけか!こりゃいい!
【A】・・・(校長、大丈夫かな・・)。

※会話の内容はフィクションです
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 本校は今年度、文科省より指定された「生成AIパイロット校」の“協力校”に指定されました。本校でのAI活用は教員が業務で扱う範囲になりますが、教室で子ども達がAIと共に学ぶ日はすぐそこまで来ていると言えます。果たしてAIは学びのパートナーになり得るのか。その時、教師の役割はどうなるのか。この時代に子どもと関わる私たちに突き付けられた命題です。

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