三ツ沢小学校のクジャク

【先代のクジャク、ササジロウ】

 三ツ沢小学校には、ササジロウというクジャクがいました。クジャクとしては、大変な長寿で、30歳まで生きて子どもたちに親しまれました。先生方のポロシャツには、ササジロウがデザインされるほど三ツ沢小学校のシンボル的な存在だったのです。

今となっては、ササジロウという名前の由来も、出自の由来も分かりませんが、子どもたちは、ササジロウが大好きで最後まで大切にお世話をしました。三ツ沢小学校が80周年を迎えた平成25年に亡くなりました。

 

【二代目のクジャク】

 

 

 平成26年に三ツ沢小学校に着任すると、子どもからも先生方からも「クジャクが死んで寂しい」というお話を聞きました。何とかもう一度、三ツ沢小学校でクジャクの飼育を始められないかと思いました。地域の方や市役所の方にお話をしたところ、野毛山動物園から「30年もクジャクの飼育をした実績がある学校なら」というお話をいただき、クジャクを貸与していただけることになりました。平成26年の12月初めの寒い日でした。千葉先生が野毛山動物園に段ボール箱をもって、まだ1歳4か月だった子供のオスのクジャクを迎えに行きました。

 

【飼育員の谷口さんからの手紙】

 

 横浜市立三ツ沢小学校の皆様へ

三ツ沢小学校の皆様 初めまして。

横浜市立野毛山動物園でインドクジャクの飼育管理をしている飼育員の谷口といいます。

三ツ沢小学校では20~30年以上も前から野毛山動物園から贈られたインドクジャクを飼育していたと知ってとても驚きました。ささじろう君が長生きできたのは三ツ沢小学校の生徒さんや先生方、たくさんの人に優しく大事にしてもらえたからだと思います。

 このたび、昨年、野毛山動物園で生まれたインドクジャクのオス「フジさん」が、また、皆さんと一緒に生活することになりました。(2013年8月1日生まれの1才)まだまだ、若いオスで美しい飾り羽を広げるのはもう少し先になるかと思いますが、どうぞ楽しみに待っていてくださいね。

 三ツ沢小学校が、インドクジャクの「フジさん」との関わりを通して、命の大切さ、動物を大切に思う気持ちや動物の飼育管理の知識など、たくさんのことを身に付けてくれたらうれしいです。

 野毛山動物園のインドクジャクの群れから離れて少し淋しいかもしれないので、ぜひ、皆さん、お友達になってあげてください。野毛山動物園に遊びに来た際には、「フジさん」との楽しいお話を聞かせてくださいね。

よろしくお願いします。

平成26年12月5日 横浜市立野毛山動物園 谷口 葵

 

【ピースという名前】

 三ツ沢小学校のまたクジャクが戻り、子どもたちは大喜びでした。動物園では「フジさん」と呼ばれていましたが、飼育委員会では、全校でみんなに愛される名前を考えることにしました。そこで、クジャクの名前を募集したところ「みんなが笑顔でいられるように」という願いを託した「ピース」という名前が選ばれました。平成27年1月のことです。

 

【クジャクのピース】

 ピースは、子どもたちから愛されかわいがられて、すっかり人になつきました。柔らかい草が好きで葉っぱをあげると寄ってきて食べます。

平成28年の秋には、尾羽がすっかり抜けて29年の1月には、立派な大人の尾羽が生えました。尾羽を広げると立派な美しいクジャクです。寂しいと大きな声で「アー」と鳴きます。

 これからも皆さんでかわいがってください。ササジロウに負けないくらい長生きをしてほしいですね。

(平成29年3月28日 第21代校長 八嶋真理子 記す)