三ツ沢小学校のほたるの始まり 

 昭和63年,三ツ沢小学校の裏に地下鉄の地下水を利用した人工の川,せせらぎ緑道が完成しました。その翌年(昭和64年)10月,横浜ホタルの会会長 丸茂先生より,ホタルを放流しないかというお話を頂きました。下水道局の方々や学校の働きにより,せせらぎでカワニナが繁殖できるようになりました。そこで,児童の飼育委員会ホタル班を中心に理科室でのゲンジボタルの幼虫飼育が始まりました。その年の4月18日,放流式を行い,6月5日,せせらぎ緑道で始めてホタルが飛ぶのを確認することができました。そして,6月10日,第1回三ツ沢小ホタルの観賞会が開催されました。
 

ほたるの里

 私達の三ツ沢小学校には、ほたるの里という、ほたるを愛育するための施設があります。ここでは、ほたるとほたるのえさになるカワニナを中心に心をこめて育てています。里の中には、小さな川が流れています。その周りには、シダやアジサイなどたくさんの植物が生えています。
ところが近年、思うようにほたるの飛ぶ姿が確認できません。さらに、このような環境も手入れをしていかなければどんどん廃れていってしまいます。そこで、平成17年度の11月頃に「水質の向上」ということで、ヤクルトの容器を用い、その中に微生物を棲まわせて水をきれいにするという試み、また、年度末にはヘドロをすべて取り出し、ザリガニもできるだけ取り除いた上でもう一度土を敷き詰め、流れをほたるの種類によってわけるという試みをしました。

 休み時間になると、ヤクルトの容器の底を一生懸命に切っている子ども、話をしに来たけど友達の姿を見て一生懸命に手伝っている子ども、自分も三ツ沢小の一員としてかかわりたいという思いから手伝いに来る子どもなど、様々な思いをもちながら活動を続けています。しかし目指すところは、              
「ほたるがたくさん飛んでほしい。」

 これはみんなの共通の思いです。この思いをみんなで確認し合い、高め合いながらヤクルトの容器の準備や土こねに取り組みました。ほたるの光がよりたくさん見られるように、そして、その光がせせらぎにも見られるようにとの期待を込めて一生懸命活動を進めました。その結果、18年度は10頭、19年度は20頭ものほたるの光が見られ、次第にその数を増やしてきています。

 

ヤクルトのろ剤を使った浄化槽


 

 赤い矢印の方向へ水が流れていき、その間にヤクルトのろ剤を通ります。すると、その中で増えた微生物が水中の汚れを分解してくれます。

 

新しくなったほたるの里の流れ

 流れが二つの川に分かれ、流れの速い方はゲンジホタルの、ゆっくりの方はヘイケホタルの棲家となります。

 

せせらぎ緑道

 ホタルの幼虫の飼育は、主にほたる委員会が、行っています。普段は、えさとなるカワニナを学校の裏に流れているせせらぎからとってきていれたり、水温を計ったりします。時には、水質検査なども行っています。