今年度は、新型コロナウイルスの流行という未知の状況の下、たくさんのことを我慢しながら過ごす一年となりました。

みんなで集まることができない。どこかに出かけるのもためらわれる。常にマスクをしていなければならず、相手の表情も自分の表情も見えない。自分や家族が感染してしまったらどうしよう…。
大人でも気が滅入るような、恐怖や緊張の連続の中、子ども達も例外なく我慢を強いられることとなりました。

机を班の形にして楽しくお喋りをしながらいただいていた給食は、全員が机を正面に向けたまま、黙って食べることに。
音楽の授業は、歌うことができなくなり、また、呼気を使った楽器の演奏にも制限がかかり、リコーダーや鍵盤ハーモニカを吹くこともできなくなりました。
家庭科の調理実習は、子どもたちは作業をせず、先生方が作るのを見て学習する形になりました。
その他にも、日常の生活においてたくさんの制限がかかりました。
なにより友達と過ごす時も、一定の距離を保つなど、常に気を付けて過ごさねばならず、クラス内はもちろん、他学年との交流も思うようにはできませんでした。

そんな新しい生活様式に、最初こそ戸惑いはあったでしょうが、子どもたちはたくましく順応していきました。そして、いつもと変わらぬ笑い声が、日々学校内に溢れていきました。マスクをしていても、子どもたちの笑顔は曇ることはない、隠れるものではないのだと気付かされました。
子どもたちの、変化に対応する力、限られた状況の中でも楽しむことのできるたくましさ。その強さやしなやかさに、何度も驚かされ、そしてその尊さに励まされた一年となりました。

 

今年度も、残りわずかとなりました。
他学年と思うように交流のできなかった今年度。千秀小学校の最高学年として少しでも下級生の力になりたい、一緒に過ごしたいという気持ちから、この3月の間に6年生は、他学年の給食の時間や掃除の時間に少人数でお手伝いに行ったり、体育の時間などを利用して一緒に外遊びをしたり、家庭科で作った各クラスへのプレゼントを渡したりと、卒業の準備で忙しい合間を縫って、下級生との交流を図ってきました。

15年生もまた、6年生の卒業を祝ってスマイルの班ごとにプレゼントを用意し、感謝の気持ちとともに手渡していました。また、各学年での6年生との交流の際にはお別れのセレモニーが行われ、それぞれの学年からお祝いの言葉が贈られました。どの学年も6年生との別れを惜しみ、その立派な姿を心に焼き付けているようでした。



明日、
6年生は卒業式を迎えます。この困難の一年を立派に過ごした6年生たちには、この先彼らの思い描く未来を堂々と進んでいってほしいと心から願っています。
そして、15年生も4月には進級を控えています。6年生からのバトンをしっかりと受け取り、この千秀小学校をみんなでより良い学校にできるよう、頑張っていってほしいと思います。

千秀小学校の子どもたちはきっと、私たち大人の期待を超えて、強くしなやかに日々を楽しく過ごしていってくれるものと信じています。微力ながらその手助けができるよう、教職員一同これからも頑張ってまいります。

今年度も、たくさんのご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。来年度も、千秀小学校をどうぞよろしくお願いいたします。