令和4年4月19日(火)に3年生を対象に国語・数学・理科の3教科について全国学力・学習状況調査が実施されました。個人票についてはすでに生徒に配付されておりますが、調査結果より見えてまいりました錦台中学校の課題について検討し、今後の教育活動に生かしてまいります。

生徒質問紙(全国基準)生徒質問紙(神奈川県基準)

3教科とも学力的には全国、県の平均に近い結果となっていますが、少し平均を下回るように見られます。学習に対する関心については国語・理科で全国・県ともに平均を上回る結果となりました。一方、自己有用感・規範意識については平均を大きく下回る結果となり、コミュニケーションの不足による影響も心配されるものとなりました。行事や委員会活動など、学習以外の活動にも幅広く取り組み、自信をもって活動する経験が大切であると考えられます。

各教科の分析

国語

分類 区分 対象問題数(問) 平均正答率(%)
錦台中学校 神奈川県(公立) 全国(公立)
全体 14 68 69 69.0
学習指導要領の内容 知識及び技能 (1)言葉の特徴や使い方に関する事項 6 70.8 72.3 72.2
(2)情報の扱い方に関する事項 1 37.9 43.7 46.5
(3)我が国の言語文化に関する事項 3 71.6 70.5 70.2
思考力、判断力、表現力等 A 話すこと・聞くこと 3 63.2 65.1 63.9
B 書くこと 1 37.9 43.7 46.5
C 読むこと 2 69.2 69.9 67.9
評価の観点 知識・技能 10 67.7 68.9 69.0
思考・判断・表現 6 61.0 63.1 62.3
主体的に学習に取り組む態度 0      
問題形式 選択式 6 73.9 74.5 73.7
回答式 5 66.7 70.0 70.3
記述式 3 56.8 57.7 57.4

問題別調査結果を分析すると、思考・判断・表現の読むことに関する力は平均に近く、問題によっては全国平均、神奈川県平均を上回るものがあります。しかし、グラフから読み取ったことを書く力や、スピーチの表現を直す力が下回る結果となっております。文法事項を学習したあとに、スピーチを行う授業の中で文法の既習事項を活用することや、説明文の読み取りだけではなく、グラフや図から読み取れることを自身の言葉で書く授業に力を入れることが大切だと思われます。

数学

分類 区分 対象問題数(問) 平均正答率(%)
錦台中学校 神奈川県(公立) 全国(公立)
全体 14 50 53 51.4
学習指導要領の内容 A 数と式 5 56.3 57.9 57.4
B 図形 3 42.1 45.6 43.6
C 関数 3 42.4 46.0 43.6
D データの活用 3 52.8 57.8 57.1
評価の観点 知識・技能 9 58.0 61.1 59.9
思考・判断・表現 5 34.3 37.5 36.2
主体的に学習に取り組む態度 0      
問題形式 選択式 4 52.3 54.2 52.6
回答式 5 62.6 66.7 65.7
記述式 5 34.3 37.5 36.2

全国や神奈川県と比べたときに、正答率の差が最も大きかったのがデータの活用でした。1年次のヒストグラムや、2年次の箱ひげ図など、様々な情報から正しく読み取る力をつけていきたいと思います。複数のものを比較し選択するときには、その根拠となるものを説明する授業を増やすことが必要だと思われます。まずは口頭で説明できるようにし、次に記述できるようにするなど、徐々に力をつけられるような授業を目指していきたいです。

理科

分類 区分 対象問題数(問) 平均正答率(%)
錦台中学校 神奈川県(公立) 全国(公立)
全体 21 49 50 49.3
学習指導要領の内容 「エネルギー」を柱とする領域 6 41.4 42.4 41.9
「粒子」を柱とする領域 5 52.0 51.4 50.9
「生命」を柱とする領域 5 57.4 59.7 57.9
「地球」を柱とする領域 6 43.1 45.0 44.3
評価の観点 知識・技能 7 46.3 46.5 46.1
思考・判断・表現 14 50.3 52.0 51.0
主体的に学習に取り組む態度 0      
問題形式 選択式 15 49.6 50.3 49.6
短著式 1 25.1 25.5 24.8
記述式 5 51.8 54.8 53.5

思考・判断・表現の観点および、記述式の問題形式の正答率から、実験結果やデータを分析し、自分自身で考えをまとめることや自分の考えを表現・説明することに課題があると思われます。思考力向上のためには、一問一答形式の学習ばかりでなく、考えを発表する際に文章にして自身で読み返してみたり、ほかの人に評価してもらうなどの取り組みを、授業の中でも増やして経験を積むよう工夫をする必要があります。また、日常の生活の中でも身のまわりにあふれている多様な情報に惑わされるのではなく、必要な情報を取捨選択し、有用な情報の入手を心がけることも大切だと思われます。