6年生では、日本の平和や国際平和に対して自分たちのできることを実践するという視点で、日頃から考えていることを作文に書きました。互いに読み合い、自分と同じ考えの友達と考えを深めたり、自分ができることを互いに話し合ったりする姿も見られました。

 22日には磯子公会堂で区内の小学校代表児童が一堂に会してスピーチコンテストが行われました。学校代表として堂々と自分の考えを伝えることに挑戦した児童の作文全文を紹介します。

 

「 一人ひとりの心がけで 」

 「みなさんは、天気のよい日は何をしていますか」と聞かれたら、ここにいる多くの人が外で遊ぶと答えるだろう。私もその一人だ。でも、そんな日に「外で遊んではいけない。」と言われたら、あなたはどう思うだろう。私は以前、このような体験をしたことがある。

 小学校二年の終わりごろ、父の仕事の関係で日本をはなれることになった。新しい国でのくらしは初めは不安でいっぱいだったが、しばらくすると友達もできとても楽しくなってきた。特に、市場に果物を買いに行ったときは、商品を安くしてくれたり、バスに乗っているとおばさんが話しかけてくれたりした。そんな楽しい思い出のあるくらしだが、一つだけ困ったことがあった。それは天気がよくても外で遊べない日があることだ。

 ある日のこと、天気がよかったので、外で遊んでよいかを母にたずねると、

 「空気が悪いからだめ。」と言われた。日本ではよく遊んでいたので母の言葉は理解できなかった。悲しい気持ちで自分の部屋へもどって空を見てみると、少しかすんでいるように見えた。

 過去を知る学習では、日本もかつては似たような環境であったことを学んだ。例えば、当時の北九州のばいじん公害は、煙突から出されるばいじんが空をおおい、その空は「地獄の空」と言われた。四日市ぜん息も大気汚染が原因で子どもたちはマスクで登校。登校後、必ずうがいをし、夏でも窓を閉め切り勉強していたそうだ。私は昔の日本がそんな環境だったなんて、全く信じられなかった。

 私の兄はぜん息であり、ほこりがまっているとせきがとまらなくなる。だから、今も兄のように困っている人のために、自分でできることがないかと考えてみた。そして、私は近場に出かけるときはなるべく車を使わずに自転車を使ったり、歩いたりするようにしている。排気ガスを出さないですみ、空気を汚さないですむからだ。車は確かに便利かもしれないが、排気ガスを出してしまい、ぜん息を引き起こしてしまうおそれもある。

 みんな、一人ひとりの心がけで大切な地球の空気がこれ以上汚れることを防ぐことができる。みなさんも環境のことを考えることで、地球を守っていってほしいと願っている。

 「みなさん、天気のよい日は外で遊びますか?」