それぞれの個性をいかして

 校 長  田中 秋人 

 気付くと今年もカレンダーが残り一枚となりました。秋が過ぎ、寒さが身に染みて、カレンダーとは反対に着ている服が一枚ずつ増えたり、厚手のものに変わったりすることで冬の深まりを感じています。先日、隣の遊水地公園で地域の方による焼き芋まつりが開かれました。本校のこどもたちもたくさん参加していました。当日は季節外れの暖かさでしたが、温かい焼き芋を食べると体だけでなく、心もほかほかと温まるような気がしました。

 さて、皆さんは小学時代に限らず、中学時代、高校時代等で心に残る思い出の先生はいらっしゃいますか? 授業がわかりやすかった先生、いつでも丁寧に話を聞いてくださった先生、いつも笑顔の先生、そしてこわかった先生等、皆さん一人ひとり思い出に残っている先生がいることと思います。私自身にも思い出に残っている先生がいます。小学校時代は1、2、5、6年生の4年間同じ先生にお世話になりました。厳しくちょっとこわかったのですが、とても熱い先生でした。中学校3年生の担任の先生も記憶に残っています。この先生は、私の卒業にあわせて退職なさり、民話について調べ本を出す!と仰って、研究者の道に進まれました。また記憶に残る校長先生もいらっしゃいました。その校長先生は、いつも優しくにこやかに私に話しかけてくれていたことをしっかりと覚えています。その校長先生の朝会でのお話も今でも覚えていることがあります。朝会の校長の話というと話が長いという印象をお持ちの方も多いと思います。私も正直その一人でした。しかし、この校長先生はある日の朝会で「空を見上げてください。気持ちのよい空ですね。今週もこの空のような気持ちで過ごしましょう。これで終わります。」とお話をされました。短くて驚いたことが数十年たった今でも鮮明に心に残っています。私はこの校長先生のように11月の朝会で「空を見上げてください。」と子どもたちに呼びかけました。子どもたちが空をみると…「虹だ!」との声が子どもたちから聞こえてきました。まさかと思い私も空を見上げてみると、わずかな時間でしたが空高くに虹がかかっていました。気持ちのよい…と続ける予定でしたが、「虹の七色のようにみんなで光輝くような一週間にしていきましょう。」と話をしました。

この学校だよりを読んでくださっている方は過ごしてこられた時代に応じて、先生への印象も違うことと思います。しかし、皆さんが心に残っているどの世代の先生方も子どものためにという気持ちをもたれていたと思います。この事はいつの時代も変わりません。本校にもたくさんの教職員がいます。子どものやる気を上手に引き出す教職員、情報機器の活用が上手い教職員、体を動かすことが得意で子どもたちと走っている教職員、子どもたちが学びやすい環境を整えている教職員。様々な教職員が常に子どものために、それぞれの得意なことをいかしながら、舞岡小学校の学校教育に携わっています。しかしその一方で得意なこともあれば苦手なこともあります。そこでお互いのよさを生かしながら苦手な事をカバーし合うことも求められると思います。朝会の時に、青空に姿を見せた七色の虹のように、教職員それぞれの個性をいかしながら舞岡小学校の教育を前と進めています。そのためにも皆さんも皆さんのご理解ご協力も必要だと感じています。どうぞ今月もよろしくお願いいたします。