自ら考える力(令和6年7月号)
自ら考える力
校 長 田中 秋人
夏のような暑さの日が少しずつ増えてきました。厳しい暑さとは裏腹に今年度の梅雨入りは例年よりとても遅くなり、正門前に咲いている紫陽花の花も恵みの雨を待ちわびでいる様子でした。梅雨の間は、当然雨の日が増えてくると思われます。紫陽花にとっては恵みの雨でも、私としては今週から始まった水泳学習がよい天気のもと、安全に配慮し事故なく無事に行えることを願うばかりです。
さて5月の終わりから6月中旬にかけて、4・5年生の児童が宿泊体験学習に6年生が修学旅行に行ってきました。4年生は、国が指定している重要文化財である日本丸に宿泊しました。日本丸の方の話によると宿泊できる重要文化財はあまりなく珍しいとのことでした。日本丸では、登しょう訓練(バウスプリット(船のへさき)へ渡る)や結索訓練(船で使用するロープの結び方を学ぶ)を行ったり、ヤシの実を使用した練習船ならではの甲板清掃を体験したりしました。どの体験も普段ではなかなかできない体験でした。5年生は、富士山の麓である御殿場にある施設に宿泊し、ネイチャープログラムを体験しました。1日目は丸太の橋を渡ったり、沢の音を聴いたりしながら山の奥へと進んでいき寒沢の源流を目指しました。宿舎に戻ってからキャンプファイヤーも行いました。2日目の「ふじさんぽ」では、富士山の新五合目から数回に分けて昼食をとり休憩をしながら登りました。その後、火山灰地を通って「砂走り」を楽しみながら下山します。「砂走り」では、二人組で転がったり、走り下りたりして富士山ならではの遊びを楽しみました。6年生は日光への修学旅行です。華厳の滝や湯ノ湖の自然の雄大さ、東照宮や大猷院などの歴史的建造物の美しさ、そして日光彫の繊細な作品の魅力などの日本のよさを感じることができました。
目的地や年齢もそれぞれ違う宿泊体験ですが、どの宿泊体験においても子どもたちは困ったことがあったときにすぐに大人に頼るのではなく友達と相談をする姿が見られました。子どもたちは自ら考え行動することの大切さや友達のよさを実感することができたのではないかと思います。すべて大人が準備をするのではなく、自ら考えることを大切にすることとともに一人ひとりの子に応じた支援や声かけをすることが成長につながるということを再確認させられました。
これらのことは、体験学習に限った話ではないと思います。生活においても子どもが自ら考え行動することは日々求められていることです。子どもが自ら考え行動を起こすためには、大人がそっと見守ること、また子どものそれぞれの成長に併せて支援していくことも大切だと思います。しかし子どもに任せるときには、周囲の大人が不安を感じる時もあると思います。じっと我慢して子どもを信頼していくことが求められることでしょう。子どもは成功や失敗を繰り返し学び、自分で解決できることが一つずつふえていくのではないでしょうか。
来週から7月です。梅雨空や夏の日差し変わっていく季節の中、一人ひとりの成長に寄り添いながら舞岡小学校の教育活動を進めていきます。引き続きご支援ご協力をお願いします。