できることを できるところから(令和6年6月号)
できることを できるところから
副校長 小野 由紀
日当たりのよい中庭には、1年生の植木鉢が置いてあり、朝や休み時間に水やりをしています。「芽がでたから見て。」と声をかけられたので、植木鉢をのぞいてみると、土の中から小さな芽が顔をだしていました。「何を育てているの。」と聞くと、「おじぎそう。やっと芽がでてうれしい。」「こっちも見て。朝顔の芽が2つもでたよ。」「わたしはおしろい花。蜜がある花だよ。」と次々と子どもたちが教えてくれました。さらに「水のあげすぎはよくない。」「でも、植木鉢の底に穴があるから大丈夫。」などの会話も聞こえ、毎日、変化を感じながら、大切に育てている思いが伝わってきました。様々な場面で出会う子どもたちの姿から、日々積み重ねられる学校生活の中で、活動や体験を通して、学びが広がりつながっていくことを感じています。
本校では、「まちとのかかわりを大切にし、地域の行事や地域の方々と交流する活動を充実させ舞岡を愛する子を育てる。」という中期取組目標を設定しています。学びをつなげ、日常生活や社会の中で、生きてはたらく力を身に付ける確かな学びを実現するためには、学校と家庭、地域で協働して子どもたちを見守り、支えていくことが必要となります。
横浜市では、学校地域コーディネーターを中心に保護者や地域住民等で構成する地域学校協働本部を設置し、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支える活動を推進しています。今年度、舞岡小学校地域学校協働本部は設置から3年目をむかえ、昨年度末にボランティアグループ「まいぴークラブ」が発足しました。5月13日に第1回定例会が行われ、いよいよ活動を開始しました。メンバーは、役員が5名、在校生や卒業生の保護者、地域の方を含む20名です。まずは、「できることをできるところから」を合言葉に、舞岡小学校の子どもたちのために活動していくことを確認したところです。メンバーの方々からは、やってみたいボランティア活動などについてもアイデアをいただきました。今後は、6月5日に開催予定の学校地域学校運営協議会との一体的推進を図りながら、学校からのお願いという一方通行の形ではなく、地域や保護者と共に協議や交流を重ね、つながりをより深めていける関係を築いていけたらと思います。
明日から6月になります。正門の紫陽花も色づきはじめ、季節は夏へと向かっています。中庭で空を見上げている子どもがいたので、私も空を見上げてみるときれいな青空に白い雲が次から次へと流れるように動いていてつい見入ってしまいました。地域も保護者も学校も、できることをできるところからはじめ、まいぴークラブが、子どもと一緒に時には空を見上げたり季節を感じたりできるようなゆとりが生まれる素敵なきっかけになるように活動をすすめていきます。