「まん延防止と飯島小学校」    校長 大野 幸二

〇皆様ご承知の通り、神奈川県を含む1都12県を対象に「まん延防止措置」が発令されました。横浜市内の小学校では、1月21日(金)~2月13日(日)まで、教育活動の制限を余儀なくされます。県外や宿泊の行事が禁止され、音楽や体育等々、様々な教育活動が制限され、子どもたちの心身の健康が危惧される今日この頃です。

 そんな折、心温まるエピソードを紹介します。「まん延防止措置」が発令された初日のことでした。授業中に廊下から大きな泣き声が聞こえてきました。すぐに校長室をとび出すと、昇降口に低学年の児童Aさんと担任が立っていました。私が事の経緯を訪ねると、「音楽で歌(♪さんぽ)が歌えなくなったのが悲しくて泣いてしまった。」とのことでした。私は、教育活動の制限による弊害が、早くも子どもの心を痛めている現場に出くわし、何ともやりきれない気持ちになりました。ところが、次の瞬間、担任教諭は「外で歌おうよ。」とAさんに声をかけ、一緒に「♪さんぽ」を歌いながら校庭へと歩いて行きました。

 現在の市ガイドラインでは、音楽等の合唱・管楽器演奏(屋内・近距離)や大きな声を出す活動(一斉・近距離)が禁止されています。しかし、発想を変えれば、「工夫次第で、できる活動もあり得る。」ということです。飯島小学校では、頭ごなしに何でも「できない!」と決めつけるのではなく、「できるように努力や工夫をする。」ことを大切にしたいと考えます。

 今後も厳しい状況が続きますが、子ども達や教職員の心身の健康を守り、安全・安心な学校づくりに取り組んで参ります。