平成26年9月16日(火)
 9月12日(金)は1年に1度、保木薬師堂の本尊薬師如来坐像が県立歴史博物館から戻ってくる日です。話によると例年午前中に博物館から戻ると、本堂内に一時仮置きされ、その後、厨子に安置されるとのことでした。厨子に安置されるまではごく近くから見られるようです。私は護摩法要が始まる午後7時頃に駆けつけることができました。お堂の中は大勢の方が詰めかけていました。護摩壇の中央の井桁に組んだ木に火がつけられると、その火は2m以上も立ち上り、厳かな儀式が始まりました。炎が堂の梁に届きそうでちょっと心配しましたが、よく見ると梁に鉄板が巻かれていました。恥ずかしながら護摩法要を始めから終わりまで、目の前で見るのは初めてで、説法も含めた1時間ほどの経験でしたが、暗いお堂の中で立ち上る炎を見ながら、今といにしえを結ぶ不思議な体験をすることができました。薬師如来は病気平癒、護摩たきの煙は無病息災ということですから、ちょっとだけ健康になったのではと思います。



平成26年6月3日(火)
 先月、6年生とともにが修学旅行に行って来ました。初めて富弘美術館を訪れたのですが、描かれた絵と詩に引き込まれ、涙があふれました。日々の何気ない(いや実は重要な)出来事がこんなにも輝いて、感動すべきことであると実感させられました。そして、自分の日々の生き方を厳しく問われたような気がしました。
 さて、下の写真ですが、今から43年前の5月の私の修学旅行です。場所はどこだと思いますか?実は、華厳の滝なのです。おそらく中禅寺湖の水量が不足していて止めていたのでしょう。その後、実物の滝と出会うチャンスには、なかなか恵まれませんでしたが、時が経ち、今となっては貴重な思い出となっています。
 6年生の皆さんも陽明門など、平成の大修理で見ることがかないませんでしたが、是非、完成の折りには自分の目で確かめてほしいと思います。









 

 

平成26年3月13日(木)
 3月の学校だよりで、椿のつぼみを紹介しました。二つのつぼみのうち、一つはすぐに咲いたのですが、もう一つは未だにつぼみのままです。一見して同じように見えたつぼみですが、咲く時期がこんなに違うとは思いませんでした。このつぼみに子どもたちを重ねてみました。つぼみは何も語りませんが、子どもの声に耳を傾けることを忘れてはならないと思います。



平成26年1月14日(火)
 長い間準備中で申し訳ありませんでした。校長室へようこそ。
 この「校長室から」では、不定期ですが、広く教育に関係する話題を載せていきたいと思います。時には、本校の出来事であったり、やわらかな教育論であったり、私が日頃感じていることなど、できるだけ子どもたちの学びを考える時に、参考になる話題を選んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、本校の学校教育目標の軸となる豊かな『感性』を身に付けるためには、小さい頃から本物に接することが大切だと常日頃から思っています。私は幼い頃から、絵を描いたり、物を造ったりすることが好きで、できるだけ、本物を目にしたいと旅することがあります。そのような中で、最近、久しぶりに鳥肌が立つような感動に出会いました。新潟県にある西福寺(さいふくじ)の開山堂で出会った石川雲蝶(うんちょう)という彫刻家です。石川雲蝶は文化11年(1814)に江戸の雑司ヶ谷で生まれ、若干20歳前後で江戸彫石川流の奥義を極め、32歳頃に越後にやってきたようです。新潟県内には彼の作品が数多く残っていますが、その開山堂内にある欄間の彫刻を見たときの感動は今でも忘れられません。遠近法を用いたその彫刻の一つは、部屋の中の奥行き感を絶妙なバランスで表現していました。とても人間業とは思えない傑作でしたが、これはまさに人間にしかできない業とも思われました。大人になってもこんな感動は必要ですが、できることなら、小さい頃から、本物に触れる機会をもたせてあげたいと思うこの頃です。