お互いの努力のたたえ合い

 

校長 藤田 洋子

 

10月13日(土)、10月としては寒い中でしたが、第51回目の運動会が行われました。昨年度は台風の影響で平日開催になり、多くの保護者様にご参観いただけなかったことが大変残念でしたので、今年度は予定通りの開催を切に願っておりました。てるてる坊主だけでは心配で、達磨への願掛けまでしました。おかげさまで、願い通りの開催になりました。

子どもたちは、運動会の練習に時間をかけ、当日に向けて努力してきました。演技の動きの切れも、表現者としての気持ちも日々増してきて、当日が近くなってくるにしたがい、見る者の心を震わせる演技をするようになってきていました。団体競技や個人競技もまたしかりです。全学年のこの練習過程を見ることができるのは、校長としての幸せだといつも思っております。

「勝つことではなく、参加することに意義がある。」というのは、オリンピックの精神として有名な言葉です。この言葉を私は小さい頃から知っていましたが、「オリンピックに出るだけですごいことなのだ」という浅い意味でしか捉えていませんでした。ですが、もっと深い意味がありました。大人になって知ったことなのですが、この言葉を残した近代オリンピックの創始者クーベルタン男爵は、「オリンピックの理想は、人間を創ること、つまり参加するまでの過程が大事であり、オリンピックに参加することは、人と付き合うことすなわち世界平和の意味を含んでいる。人生において最も重要なことは、勝つことではなく、努力することである。肝要なのは、勝利者になったということではなく、健気に戦ったということである。」という言葉も残しています。

運動会は、子どもたちにとって小さなオリンピックのようなものです。練習の過程で、仲間と心を合わせ一つのものをつくり上げ、日々努力して本番を迎えています。そして、応援を受け、さらに力を発揮し、よい成果を出していました。閉会式の校長の話をしているとき、大変うれしい場面がありました。「白組さん優勝おめでとう。」と言ったとき、紅組から自然に大きな拍手が起きました。「紅組さん頑張りました。」と言ったとき、白組から自然に大きな拍手が起きました。例年ですと、結果発表のすぐ後なので、喜びや悔しさを前面に出す子が多くいるのですが、今年度は、相手をたたえる気持ちが多く表われていて驚きました。仲間の努力する過程の姿をしっかり見ていたのでしょう。さらに、相手をたたえることができるということは、自分を肯定する気持ちがないとできないことだと思います。練習を積み重ねた自分にも自信をもててきていることだと思います。

保護者様には、長い練習期間中、汚れた体育着を洗ってくださったり、子どもたちの健康管理に気をつけてくださったりしていただき感謝申し上げます。また、最後の片づけにたくさんの方が力を貸してくださり、ありがたく思います。そして、寒い中最後まで温かい声援を送ってくださった地域の皆様にお礼申し上げます。