17年度横浜市立中学校美術研究会
夏期実技研修の報告

日時:平成17年 8月 2日 
場所:県立上矢部高校
講師:当校教頭 松本 敏裕先生 他3名の先生方
内容:

  1. 高校の美術授業での題材・表現方法を工夫した実践例についての講義と実技演習

     テーマ  
           「地球環境をテーマとしたエコトレインポスターの作例と鑑賞の展開」

  2.平面演習
     テーマ 
           「様々な表現方法を活用した平面表現の展開」   

作例と感想:荻島

紙を自由に表現し、立体的にスケッチに表す

私は紙をちぎったが、折ったりねじったりとここは好きに取り組んだ。
あまり悩まず、時間を制限して素早く決断させるようにしたほうがよいらしい、こだわるから。
コピーを残し、着彩する。

着彩に対して苦手意識のある生徒のためにコピーを残すことで、勇気を出して着彩するようになる。
「スケッチまではいいけど。色を付けるのが苦手」という生徒の為にはとても良い手だてだと思った。
着彩した作品から発想し、デザイン化する。

これもコピーし、様々にデザイン化させる。
手が早い生徒には、何パターンもやらせてみてもよいようだ。先生方の作品は、それぞれ個性的で
二つとして同じ雰囲気がない。私の作品は色面分割っぽいが、もっと自由に表現しているものが多かった。
デザイン化した作品を、5mmに裁断し、ずらして貼り付け、新しい表現につなげる。

この時の約束事は、@ 5mm間隔で裁断すること、A 順番を変えないこと
ここまでの段階でうまくいってなく、気に入っていなくても、再構成することで意外な良さが発見でき、苦手な生徒にとっても満足感につながったという作例が多かった。

「何が書いてあるか分からないが、何となくいい感じ」、そんな気持ちが生まれる事後作文を読ませていただいた。

私の作品はなんだかここで気に要らない作品になってしまった。生徒の自己評価は8/10 など高めだったが、私の場合は5/10くらい。もし授業を受けていたなら、着色からやり直し、裁断の方向を変え、張り方ももっと工夫したいところだ。
完成した作品は額装(100円ショップのもので良い)し、必ず持ち帰り、自分がふさわしいと考える場所に展示して、家族からコメントをもらい、鑑賞プリントを提出するという授業だった。

完成作品以外の途中の段階の作品を画用紙に貼って、その都度の考察を入れたレポートも提出されており、自己評価活動などしていた。

苦手意識のある生徒へ、いつでも振り返りやり直せる手だてとしてコピーを作品ごとに残してやることで制作への意欲を無くさせない手だてとしている所がとても勉強になった。やり直せる手段と気持ちの余裕、時間の余裕がカギなのかもしれない。


  3、 陶芸館見学
      大きく手の込んだ作品が多く、ジェラシーを感じてしまった。機会があれば是非。

  4, 立体演習

      テーマ 「土を使った柔軟な造形表現の展開」

 それぞれの技法を丁寧に、かつ、上矢部オリジナルな教育方法なども披露していただき、楽しく研修できた。
 各校に持ち帰り、早速チャレンジしたくなるようなわかりやすい、また、目から鱗の落ちるような方法を伝授していただいた。
 おみやげのプリントには、陶土の扱いから保管の方法まで丁寧なイラストも入っており、陶芸バイブルの一つに加えたい貴重品とな った。 さすが上矢部美陶コース。      


最後に

 夏の実技研修は毎年充実したものだが、今年も大変充実した一日だった。陶芸の作品は、陶芸部の生徒さんが協力して完成してくれたものが、夏の終わりまでにはきっと手元に届くだろう。いまから待ち遠しくてたまらない。

講師である松本先生他、講師の先生方に深く感謝し、今後の中学校の授業展開に生かしていきたいと思いました。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
                                                                 

H17.8.3 広報係 荻島