平成16年度 横浜市教育研究会美術部会 公開授業学習指導案

「ユニバーサルデザインを知る」

 〜ユニバーサルデザインの「気付き」を身につける〜

 

 

1.研究授業 題材及び目的

   「やさしさのデザイン」   

〜どんな人にも使いやすく公平に使えるもの〜

 

横浜市中学校教育研究会美術部会本年度テーマ「つくるよろこび・みるたのしみ・生きるよろこび」を柱とした、美術の授業のあり方を探る実践的研究を公開します。製品や環境を使う能力は、人々によって様々である。高齢者・障害者・妊婦・子ども・けがをした人・外国人、そして子どものときから高齢になるまでの能力の変化などを考慮した共用品について学習します。できるだけ幅広い能力に適応できるデザインとは何か、体験と講話を通して自分なりに問題を発見し、生徒個人個人が社会にできることを探っていけることを目的とします。

 

2.日  時   平成16年11月18日(木)   受  付    13:30〜

      0〜14:

                             研究協議  15:0〜16:30

 

3.場  所  横浜市立栗田谷中学校  3階 美術室

     

4.授業者  横浜市立栗田谷中学校     三橋 京子

 

5.学習者  横浜市立栗田谷中学校1年生徒  35名

 

6.題  材  「やさしさのデザイン」

         〜どんな人にも使いやすく公平に使えるもの〜

 

7.題材設定の理由

 

(1)学習内容について

私たちの暮らしや社会は、便利で豊かな社会であり、大量生産された人工物やデザインで氾濫している。一見、便利で快適な社会のように感じるが、あらゆる使い手に快適で使いやすいモノや環境であるだろうか。私たちが普段慣れた目や耳で接していると、ある一定のユーザーを対象に作られたモノの使い勝手に気付きにくい。色々な使い手にとって自分に合ったものを選択し、利用できる機会が平等なデザインについて、デザイナーから直接話を聞き、これから身の回りのモノについて「気付き」を大切にしていく鑑賞の学習を進める。そして、つくり手と使い手が相互の立場を理解し、どのような人でも、体格や身体能力の違いに関わらず、できるだけ同じように使えるように考えたデザインであるか意識を持ってもらいたい。

 

 

(2)生徒の実態について

このクラスは全体的に仲の良い集団である。何か問題が起こると一生懸命に考えることができ、自分の意見を言える生徒も多い。

本校の美術の授業では1つの机に5〜6人で、グループごとに授業を受けている。したがって普段の授業でもお互いの作品を鑑賞し合いながら、製作を進めている。

 

 

8.ねらい

(1)       真剣な態度で話を聞くと共に、自分の意見を発表したり、友だちの意見をきちんと聞くことができる                         (美術への関心・意欲・態度)

 

(2)       デザイナーから直接話を聞くことで、商品を深く見つめ商品に込められた想いや制作意図を感じ取らせる                           (発想や構想の能力)

 

(3)       商品を観察することで、今後の作品作りのヒントを身につけることができる(創造的な技能)

 

(4)       自分の感じたことを大切にし、デザイナーの気持ちや表し方の工夫などから、商品を鑑賞する態度を育てる                             (鑑賞の能力)

 

 

9.本時(1時間)

グループにそれぞれユニバーサルデザインされた商品を配布する。普段、目にしているモノをじっくりと観察し、ワークシートに記入しながら気付いたことを発表する。デザイナーよりデザインする立場での話を伺い、ユニバーサルデザインについてまとめる。

 

 

10.学習過程

   

学習活動と内容

教師の支援と評価

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1. 本時の学習のねらいや内容を理解する

 

 

2. デザイナーの紹介

 

3.(社)かながわデザイン機構の会員からの、デザインすることについての話を聞く

 

1.学習のねらいや内容を確認させ、活動に意欲をもたせる(関心・意欲・態度)

 

2.デザイナーを紹介する

3. デザイナーは、何に注意してデザインしているのか、話を聞くよう助言する            (発想や構想の能力)

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4.グループごとに商品・ワークシートを配る

 

1班 シャンプーとリンス

  2班 ルービックキューブ

  3班 照明用点滅スイッチ

  4班 牛乳パックとオープナー

  5班 ピーラー(皮むき)とスライサー

  6班 サランラップとアルミホイル

  7班 電卓とアラーム時計

  8班 プリペイドカード

2.

3. 5.商品を注意深く観察し、気付いたことをワーク

シートに記入する

 

6.グループごとに商品について気づいたことを発表する

 

4. 商品とワークシートを配る

 

・自分たちのグループの商品は、どこに焦点をあててデザインされたモノなのかを観察する

・グループで話し合い意見をまとめる

            (鑑賞の能力)

 

 

 

 

5.商品のどこを観察するかを助言しながら

  ワークシートに記入させる

6.自分たちのグループの商品紹介と、話し合いで気付いたことを発表する

 

まとめ

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7.グループごとの発表後、デザイナーの方の話

 

 

8.デザイナーから直接話を聞き、観察した商品について気付いたことをワークシートの「まとめ」に記入する

 

 

9.授業のまとめ

      商品を観察し、デザイナーの話を聞いて、普段から身の回りのモノにもデザインされていることを意識し、デザインは多様な使い手や、社会にとって役立つことを理解する

      ユニバーサルデザインについて考え、ワークシートにデザインする。

 

7.デザイナーの方の話を聞き、ユニバーサルデザインについて考えをまとめる

 

8.デザイナーのまとめの話を聞き、デザイナーの仕事について理解し、もう一度自分たちの商品について見直してみる

         (発想や構想の能力)

9.私たちの身の回りのモノが、多くの人々、つまり使い手が満たされるために、人々がどのような状態にあり、どのように暮らしているのかを正確に理解することが大切である

 

さまざまな使い手に使いやすいという意見が、ユニバーサルデザインの考え方へつながることを気付かせたい。

                                

                                  

ユニバーサルデザイン ワークシート  

1年   組    番:名前

 

スケッチ

グループに配られたモノを観察してみよう

 

質問@ この商品をスケッチしてみよう

 

質問A この商品は何をするための

ものですか?気づいたことは?

  〔    〕 

質問B さわってみて、いろいろな人たちが使っているところを想像してみましょう。

    男の人・女の人・子ども・身体の不自由な人・高齢の人・外国の人・・・

どの人にも使えるものですか?  

 

 

 

 

 

 

 

質問C どの人も使い方がわかりやすく簡単ですか? 

 

 

 

 

まとめ

デザイナーは、なぜユニバーサルデザインをしようと思ったのでしょうか

ユニバーサルデザインできるものを

考えてみよう!

あなたの考えるユニバーサルデザインとは何ですか