社会との関わりを意識した美術の授業
 
                       横浜市中学校美術科研究部会                        研究部長 宮下幾子(日吉台中)1、研究について
 中学生を取り巻く社会は大きく変化しています。学校教育においても、社会との関わりを意識せずにはいられなくなってきました。
 美術科においても授業時数の削減や、評価方法の変化、選択美術の取り組み方など様々な問題を抱えていますが、次世代の市民を育てるため、積極的に様々な研究に取り組みたいと思います。
 
2、本年度の主な活動
 本年度は美術教育に関する大きな研究大会が本市横浜で開催されます。
11月9日から11月11日にかけて「 2005 第58回 全国造形教育研究大会 第45回関東甲信越静地区造形教育研究大会(神奈川大会)が予定されており、すでに各方面で準備の段階入っております。研究部では皆様と共に横浜の日頃の取り組みを全国に向けて発信出来るようにまとめたいと思います。
 
3、平成17年度の研究テーマ
 昨年度に引き続き研究テーマは次のようにしたいと考えています。

作るよろこび・見るたのしみ・生きるよろこび
(社会との関わりを意識した美術の授業)

 
 作る喜びを実感し、見る楽しみをおぼえ、生きる喜びにつながり、自信が持てるような授業の研究、評価のあり方を追求して2年目を迎えます。本年度はサブテーマとして「社会との関わりを意識した美術の授業」を付け加えました。
 
4、重点研究について
 平成16年度は以下の重点研究を中心に取り組みました。
  1、ホームページの充実
  2、基礎基本の充実を図る授業
  3、評価規準の研修
  4、神奈川デザイン機構とのタイアップ授業
   (デザインの社会性 生活者としての視点でデザインを考える))
  5、地域とタイアップした授業(陶芸を媒体とした例、美術館との連携)
 本年度は、他教科に先駆けてホームページの充実を図りました。他の4点につきましても、研究授業や夏季実技研修会、定例の研究会におけるプレゼンテーションなどでお示し出来たと考えております。
 平成17年度は特に4番と5番の二つに重点を置いて社会との関わりを意識した美術教育の研究に取り組みます。    
 
「アート&デザイン共創プロジェクト」
2003年度より続けてきた、市中美(横浜市立中学校教育研究会美術部会)とKDF(社・神奈川デザイン機構)による次世代の市民を育てるための取り組みの成果を皆様方とともにまとめたいと考えています。
 1、講演会 演題「関わりの美術としてのデザイン」
   講師  神奈川デザイン機構(社)かながわデザイン機構理事 川原啓嗣先生
                               2003/5
 2、みなとみらいでのバリアフリー体験ツアー         2003/8
 3、並木中まちづくりユニバーサルデザイン授業        2003/10
 4、竹素材による環境とデザイン研修会            2004/8
 5、3人のデザイナーによるデザインプレゼンテーション    2004/10
 6、栗田谷中のUD・共用品体験授業             2004/11横浜美術館との連携
 横浜美術館、関淳一先生によるプレゼンテーション実施 1/20
       「美術館の活動」
 本年度(2005年度)関ブロ開催時に美術館での鑑賞授業の実施予定
    上菅田中学校、小林教諭と美術館、関先生が作家を招いた鑑賞授業を計画
 本年度(2005年度)美術館主催による中学校教員向け夏季研修を計画
 関ブロの研究授業で鑑賞授業を計画中です。そのほかにも中学校の美術教育と美術館の連携の可能性を探りたいと思います。
 
5、平成17年度の研究体制
 横浜市の学校教育は2学期制の導入や学区の廃止など、大きな転機を迎えました。これをうけて、市中美の取り組みを昨年度に引き続き以下のようにいたします。
  @研究会は年6回とし、各区の部長をはじめとする会員全員でおこなう。
  A研究会は原則的に出張日の木曜日とし、開始時刻を16:00とする。
  Bプレゼンテーションを大切にし、会員相互の意欲を高める研修の場とする。
  C6回の研究会のうち1回を公開授業とする。
   ・授業実践は教師の真価を問われる大切なものと考え、11月の研究会を公開    授業として定例化する。(本年度は関ブロの研究発表になります)
  D実技研修を実施する。
   ・短い授業時間に対応する新しい教材を研究・開発し、紹介する。
  E研究内容は研究部を中心にまとめ、年度ごとに会報と共に冊子にする。
 
*研究部では参加しやすく日々の実践に役立つ研究に取り組みます。ご期待ください。