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W 研究の内容と視点について 

 本研究会では、研究主題「ひと・もの・こと』とのつながりを大切にし、自らの生活を豊かに創造する子どもの育成」に迫るため、次の研究の視点をもって研究を進めていきます。

【視点1】 三つのつながりを意識したカリキュラム・マネジメント

  家庭科指導の充実と改善に当たっては、各学校が学校や子どもの実態に応じて、意図的・計 画的な2年間の指導計画を立てカリキュラム・マネジメントを行っていくことが大切であると 考えます。「三つのつながり」とは、授業・人・学びの場のつながりであり、「横浜教育ビジ ョン2030」素案に示されている横浜の教育の方向性の中で児童に資質・能力を育成するた めに位置付けたものです。家庭科における「授業」のつながりとは、教科横断的な視点に立ち 総合的な学習の時間や道徳など他教科と関連を図ったり、中学校との系統性を図り、基礎的・ 基本的な知識及び技能を確実に習得できるようにしたりして「生活をよりよくしようと工夫す る資質・能力」の育成を目指すことです。「人」のつながりとは、多様な人々が共に生きる社 会の実現を目指し、一人一人が多様性を尊重し、それぞれのニーズに応じて主体的に学べるよ うな学習活動を作っていくことで、これまで以上に家庭の状況を踏まえ、各家庭のプライバシ ーに配慮しながら家庭と連携していくようにします。「学びの場」のつながりでは、異校種間 や小中ブロック間と連携し、家庭科と家庭分野との系統性や連続性を重視し、生涯にわたる家 庭生活の基盤となる能力と実践的な態度を育成する観点から、発達段階に応じた小中の接続を 図ったカリキュラム・マネジメントを行うことが必要です。

  これまでも家庭科で大切にしてきた題材構成や題材配列の工夫、小中の系統性などを考えて いくときに、三つのつながりを意識し、題材配列では、学習の効果を高めるため、基礎的な内 容から応用的な内容へ、簡単な内容から難しい内容へ、段階に題材を配列します。反復が必要 なものについては、題材での位置付けを明確にして指導計画に盛り込む工夫やA〜Cの指導内 容の関連を図った題材構成の工夫なども大切です。他教科等との連携の仕方についても考えて いく必要があります。

【視点2】「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善

  家庭科では、従前より問題解決的な学習を重視していますが、これからは学びの過程がより 明確に示され、一層の充実が求められています。新学習指導要領の第3の1(1)には次のよ うに示されています。

テキスト ボックス: 題材など内容のまとまりを見通して、その中で育む資質・能力の育成に向けて、児童の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際、生活の営みに係る見方・考え方を働かせ、知識を生活経験等と関連付けてより深く理解するとともに、日常生活の中から問題を見いだして様々な解決方法を考え、他者と意見交流し、実践を評価・改善して、新たな課題を見いだす過程を重視した学習の充実を図ること。

 この配慮事項では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業の改善に当たり、現行の家庭科の学習を新たな視点から見直して改善し、各題材の内容や時間のまとまりを見通しながら資質・能力を育成する三つの柱が偏りなく実現するよう授業の質を高めていく工夫が求められています。

  主体的な学びの実現においては、見通しや振り返り、新たな課題発見がキーワードとなりま す。対話的な学びの実現においては、家族や身近な他者との関わりを通して子ども自身が自分 の考えを広げ、深めることができるようにします。

つまり、身近な生活から問題を見付け、課題を設定し、解決方法を考え、実習や実験、観察を通してその課題を解決し、解決方法や結果を評価・改善する一連の学習過程の中で、「生活の営みに係る見方・考え方」を働かせることを通じて、より質の高い深い学びにつなげることが重要です。

これまでのように、衣食住などの生活の中の様々な言葉を、実感を伴って理解する学習活動や、生活の課題を解決するために、言葉や図表などを用いて考えたり根拠を明らかにして説明したりする言語活動の充実を図り、考えた過程を大切にする学習過程を大切にするとともに、授業改善を重ねることによって家庭科が目指す思考力・判断力・表現力等も豊かなものとなると考えます。